「まさかこんな短期間に『カミナリ』が二回も落とされるとは思いませんでした」

「コリンを観察していたら思わぬ収穫があったわい」

「それにしても、転生魔法を使っていた人間がいたなんて……気付きませんでしたね。でもあそこまで記憶を破壊する必要ありました？　多分彼、自分が人間なこと以外ほとんど何も覚えていませんよ？」

「対処が遅れたせいで、奴はすでに神の言語をある程度把握できるほど神化が進んでしまっていたからのう、イシスの能力もあまり効かないだろうし、念には念をと思ってな。また転生されたら面倒だ」

「私がコリンに定めた運命も、彼が近くにいたせいで少し打ち消されてましたもんね」

「とりあえず、奴は要観察対象だな。どんなイレギュラーが起きるか分からんぞ……。そういえば彼の名を呼ぶ時、何故コリンの名字を？」

「……あの人の名前忘れちゃって……まあちゃんと日本に飛ばしてあげたので、あの名前の方がしっくりくると思いますよ！」

「お、奴が地上に無事転移した様だ」

「あれ、やっぱり記憶消しすぎだったんじゃ……。あ！　警察に連れていかれちゃいましたよ⁈」

「……大丈夫かのう……」

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