039 【本】マグロ

「本マグロを食べないか?」

友人がそう言った。

先日、安月給を茶化した意趣返しだろう。

着いたのは図書館。

その地下室に、マグロが鎮座していた。

その身を叩くと、手品師が操るカードのようにズレる。

「おひとつ、どうぞ」

一枚、口にねじ込まれたが、こんな紙っぺら味なんて…。

「マグロだ!」

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