テンシシス

危ういあの人に


憧れ続けることは


もうできなかった


大人になったんだ


おそらくそういうこと


ちぎれた翼って


グロテスクな静物で


美しく消えるわけはなく


道端でただ腐っていった


いつだって


こういったふうさ


生活なんてのは


綺麗じゃないから


綺麗なだけの景色や風景を


いくつも眺めていたい


それが作り物だって


美化された偽物だって


僕らには何も関係がないよ


汚れていても美しいものは


その辺に溢れているし


大切なことなら


ちゃんとわかっている


だからそんな目を


することはないんだよ


君だってもうとっくに


天使ではないのだしね

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