追い詰められた最弱は覚醒する

神無月 瑠奈

死絶の森編

第1話

あぁ......僕死んだ


目の前にトラックが迫っている。世界がゆっくりと動いているように見える。

死に際には走馬灯が見えるって聞くけどそんなの見えない。 『●....#$&'』


まぁ、当然かこの17年間劇的と呼べる何かが起きたことなんてただの一度もなかった。僕の人生ってなんのための人生だったんだろう


『●●...$%い!』


なにか.....靄の掛かった声が聞こえる   『し●...’$ない!』


何をいってるんだろう.....

あぁ、そうこうしている間に僕とトラックの距離が......

父さん、母さん....ごめん死んだ



♢♦♢♦♢♦♢♦

「んぅ......あれ?僕は.........確かトラックに撥ねられたはずじゃ」


夢だったのか?


そこで気が付く

自分の名前が思い出せない......


周辺を見渡してみるとそこは薄暗い森の中だ



「でも、間違いなく僕だ...名前は思い出せないけど確かにわかる」


うむ....これはあれだ異世界転生ってやつだ!ってことは...


「ステータスオープン」



=========

名無し《ノーネーム》

種族:ヒューマン

Lv,1

体力:10/10

魔力:10/10

筋力:10

敏捷:10

技術:10

精神:10


【状態】

正常

【skill】


【unique】

疫病神(SSS)

無限再生

不死


==============

な、なんだこのいかにも雑魚です。みたいなステータス.....

これじゃあすぐ死ぬ!あ、でも不死ってあるから死なないか......


=====

疫病神(SSS):常に魔物を引き寄せる


=========

=====

無限再生:無限に再生する(※痛覚アリ)


=========

=====

不死:死なない


=========

無限再生と不死か、戦闘でこの2つは強力だ

強力なんだけど.........

疫病神が他のプラスを帳消しにしてマイナスにするレベルの案件過ぎるんだけど.....  


「ステータスクローズ」


ガサガサガサ


「ッ!」


なんだ、何が来る!?

今の僕に何が......


「キュゥゥ~~~」


ウサギだった。いやウサギと言っても頭に一本の角が冴えている。


「ウサギ?なんだウサギか、ほれほれ可愛いやつだな~お前はどこから来たんだ?」


そう呟き思わず手を伸ばした。伸ばしてしまったのだ

仮にウサギだったとしてもこの世界は元居たちきゅうとは別の世界なのだ。


グシャァッ!


「え?ゆ、指が!!?」    フシャーー


呆然とする。それも仕方がないさっきまで弱く無害だと思っていた生き物が自分の指を容易く食いちぎっているのだから


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」


防衛本能が逃げろと激しく告げる。脳では理解できなくても体はその忠告を素直に受け取り自分の指をもう片方の手で押さえながら走り出す


「ぐぁ.....ぐぐぅぅ!」


イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!

なんで?指がないいイタイ!アツイ!


しかし、押えている手に違和感を感じ、いつしか痛みは引いていた


「あ、あれぇ?指がぁ......」


食いちぎられた部分からまず最初に骨がそして筋肉が、皮が.....


「あぁ、そうかこれが無限再生なのか」


待てよ、僕は【不死】があるから死なない。【無限再生】があるから何度でも再生する....これじゃぁ


「これじゃあまるで生き地獄じゃないか!?なんでなんで僕がこんな目に合わないといけないんだ......こんな、こんなのあんまりだ......」


ガサガサガサ


「ヒッ!?」


「「「「「グギギギギッ!」」」」


あ、あぁ....

こんなの無理だ.....勝てるはずがない『し●...’$ない!』

まただ、またこの靄の掛かった声が聞こえる


「はは...何を言ってるんだよ」


「「「「グギギギギャ~~~!!!!」」」」


まただ、また視界がスローモーションになる


「お前は一体何が言いたいんだよ!!」


初めて腹から声を出した。その瞬間、完全に僕以外の世界が停止した


「へぇ?なん...時間が止まってる?」


『やっとだ、やっとお前の意識がこちらに偏った』


「え?ぼ、く?」


『あぁ、お前だ。お前は俺だ』


「なん....で、」


『お前このままなんの抵抗もせずあの緑の化け物に無様に甚振られる気か?』


「でも、僕にできることなんて何も.....『ある!』...へぇ?」


『お前にできることお前にしかできないことがある』


「なんだよ僕のくせにかっこいい事言いやがって。それで僕に....いや、俺に何ができるんだ?」


『フッ!そんなの簡単だ。抗え!何度でも、何度でも何度でもみっともなくていい!笑われてもいい。抗い続けるんだ!今のお前にはそれができるはずだ。痛みなんか忘れろ死を恐れるな!その先には何もない。だから進み続けろ!お前の名前はたけるだ!』


「オッス!」

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