第17話 ママキツネ配信現る

「じゃあ、配信しよっか」

「え?」


 偶然お風呂で鉢合わせたフォコ様に連れられて、フォコ様の寝室に連れてこられた。フォコ様は、僕が誰もいないと愚痴っているのを聞かれコラボが嫌だと言ったら何故かフォコ様とゲリラコラボ配信をすることになった。


「こんばんき〜つね。今回は、ゲリラ配信です〜」

「こ、こんばんは....」

「じゃあ、今から雑談配信でもしようかな〜」


 フォコ様は、僕のアカウントを使い配信をいきなり始めた。

 

“うぇ!?だ、だれ!?”

“胸が、胸が大きい!?”

“狐耳!?それに大きなシッポ!?”

“我は夢を見ているのか?”

“可愛い....”

“髪色同じだから?お、親子?”


「そうです〜親子で〜す。娘がいつもお世話になっております〜」


 フォコ様は、僕を完全な娘扱いで配信を始めた。それよりも、魔王様の奥さんであるフォコ様が多くの人間に見られる配信をして良いのだろうか?


“人妻キタァアアアア!!”

“人妻狐ですか!?”

“キャラ濃すぎませんかね!?”

"美人すぎる!!"



「ふふふ〜」


コメントを見て、フォコ様は尻尾を微かに振って喜んでいる。


"どうして、お母さんが配信に?"

"確かに"


「それは〜エルクちゃんがコラボが嫌だって言うからママが一緒に動画配信をしてコラボがどんな感じか味わって貰おうかな〜って思いまして」

「だ、だけど、いきなり...だよ」

「思いついたらやらなきゃ」


 僕は、フォコ様に振り回されながら1時間程度配信を行い終わった。配信では、コラボでどんな話をしていくかなど、コラボについて一緒に考える配信をしていた。


「ふうう〜配信終わった〜」


 フォコ様は、配信を切り僕のベットにダイブした。


「もう遅いので、早く部屋に戻った方がいいんじゃないですか?」

「も〜喋り方が硬いよ〜」

「僕はソファーで寝るので」


 『コン』っと、後ろから聞こえた。気づいたらフォコ様のもふもふのシッポに包まれベットの上で横になっていた。


「え?」

「ふふふ〜私の魔法だよ〜」


 フォコ様は、精神を操る魔法『マインドベール』を使う。ナイトメア・フォックスプリンセスとして、恐れられている。


 その魔法を僕にかけ操り、ベットまで操ったのだろう。


「全然打ち解けてくれないからだよ〜」

「だ、だけど、魔王様に悪いですし....それに、こんな姿ですが僕は、元男ですよ」

「だけど、今は女の子だよね〜それに、私のシッポ気持ちいでしょ〜」


 確かにふわりと大きな狐のシッポが僕を包み込む。柔らかくて暖かい毛並みが肌に触れると、まるで絹の布に包まれているかのような感覚に陥る。しっぽの重みは心地よく、まるで誰かに優しく抱きしめられている感じがする。それに、ほのかに甘い香りが漂ってくる。


 シッポに包まれていると自然と心が落ち着き、眠たくなってくる....



 



 

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