第11話 初配信

 配信10分前になった。僕の部屋でするように魔王様に助言を頂いた。僕は、少し汚くなった部屋を掃除したりと色々と配信に必要な物を用意したりしていた。


ゼーフが選んだ服を着ている。人間界言う征服を着た僕はカメラの前に立ち、『ドッドドッド』っと心臓の鼓動が耳元に聞こえる。


 普段は、1000人ぐらいの人の前で堂々と喋り部下たちに支持する事がある。

 そんな時でも、僕は緊張することは無く堂々とした立ち姿で指示したりしていた。そんな、僕ですら緊張する。カメラの前に立って普通に配信している。ただ、そんな簡単な事だと思っていた。


いざ、カメラの前に立つとこれ程緊張するとは思わなかった。今になって、アルベットが凄いと思っていた。


「ああ、後5分....」


時間が経つにつれ、緊張して心臓の音が大きくなる。


何故緊張するのか、それは失敗するのを恐れているから。僕は、配信で緊張していては上手く喋る事が出来ない。なので、緊張する。


僕は、考え方を変えることにした。


この配信で見る人は、半数以上が人間である。人間は、僕よりも下の存在。そんな、存在の人間に緊張して恥ずかしくないのか?


そんな事を思い、僕は緊張を少しだけ和らいだ気がする。


「よ、よっし」


予定の時間になった、僕は、配信画面の配信ボタンを押した。僕は、人間に威厳を見せるために貯金の半分を貢いで買った豪華な椅子に座り膝の上に手を置いた。


無名にも関わらず。初配信での同接人数は1000人を超えている。コメントも目で追い切れない程多く流れている。


SNSは、動画配信を宣伝する為に事務所名のアカウントを作り魔王様が行っている。魔王様の全知全能である。魔王様がSNSを駆使した結果と言えるだろう。


さすが、魔王様。


「しぇ、宣誓」


【うお!?声可愛い!!】

【見た目も可愛い!!】

【お、上から目線的なドS配信者か!?】

【ギャップ萌え】

【幼い感じ】

【噛んだ?】

【宣誓?】

【何を言うんだ?】

【可愛い】


「人間界の皆さん。僕は、エルクでしゅ。僕は人間界を征服する為に配信をしていましゅ。人間界の皆さんは速やかに征服されてくだしゃい!!」


僕は、この好機を生かすためにしっかりと宣戦布告しようと考えていた。カッコイイ場面。絶対噛まないよう意識していた。だが、緊張していた僕は胸を張り、自信満々で宣誓したにも関わらず。一番最初に僕は噛んでしまい。後半も全部つられて噛み噛みの宣誓をしてしまった。


自信満々に言ったにも関わらず噛んでしない恥ずかしく顔が赤くなってしまった。


【え、なになに?】

【可愛い!!】

【征服するの?"】

【可愛さで俺達を征服する気か!?】

【緊張かな〜噛んで恥ずかしがってる〜】

【ロリっ子に征服されるぞ!!】


ま、まあいい。僕を噛んだ事で馬鹿にしてるな。僕は宣誓をしたんだ。人間界を征服すると。だから、噛んだ事を馬鹿にしてられるのも今のうちだ!!

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