Vチューバーにコスプレイヤーとデビューしたけど私のことをしるのは(仮)

ケンタン

第1話デビュー決定

「みんな〜今日もこんこんち〜Vチューバーアイドルの霜月ユエだよー今日も一緒に楽しい時間を過ごそうね」


 今日もいつものお決まりの挨拶から配信が始まる、3ヶ月前の私には今の姿を想像することはできないだろう。なぜなら、あの時の私はいわゆるブラック企業で働いており、自分がなんの為に生きてるのか分からなくなり、死を望むように街を彷徨っていたときに声を掛けてくれたのが今私が所属する事務所の社長だったのだ。


 社長は、死にそうな目をしながら歩いている私が目に入り、どうにかしないとあの人やばいと感じて声を掛けてくれたらしい。その後は、私の事情を聞いて色々手を回してくれてブラック企業を辞めることが出来た。


 助けられた私は、しばらくは感情のない日々を過ごしていたが社長が気にかけてくれて徐々に感情を取り戻し、一ヶ月過ぎた頃には社長を含めた数人と日常会話ができる程度には復活した。


「さて、大分感情も戻っていい感じになってきたことだし、君にお願いがあるんだがいいだろうか?」


 それは、突然のことだったが社長には命を助けてもらったこともあり、私に出来ることならなんでもしようと心の奥底では考えていたので、私はためらいなく社長が望むことなら私頑張りますと宣言した。


「ふふっ嬉しいね、でも話をちゃんと聞いて考えてからにしようか、考えなしに動くのは自分だけでなく周りを不幸にしてしまう時もあるからね」


 社長は少し遠い目をしていたが、すぐに私の方に向き直り願い事を語り始めた。


「君には私のところでVチューバーデビューしてほしい、そしてゆくゆくは新たな事業の一環としてVチューバーのアダルトコンテンツを始めるから、アダルトコンテンツの一期生としても頑張ってもらいたいんだ」


 んっなんか私は、耳が悪くなってしまったんだろうか途中から、会話の内容が理解できなくなってしまったんだが。


「まーいきなり過ぎて混乱もあるだろうが、とりあえず話を聞いてほしい。私は、君のその声に惚れてしまったんだ。大人っぽい顔立ちに見る目を奪うスタイルに当然見た目通りの大人っぽい声が出るかと思いきや、予想を裏切る可愛らしい声とそのギャップに一目惚れだね、あの時偶然助けた私の勘に今でも感謝だよ。まーあの時は、今にも死にそうな顔をしていたがね。よく元気になってくれた、私は嬉しいよ」


 その偶然で助けられた私は社長に感謝しきれないが話はまだおわってない、私を気に入ってくれたのはわかったがなぜそこからVチューバーデビューとアダルトコンテンツと話になるのだ。


「その声に惚れた私はつい勢いで知り合いのイラストレーターに君のことを描いてもらってやっと最近出来上がったんだ。君のVチューバーとしての体がね。いや〜そのキャラが予想以上に可愛くてね、きっと見たら君も気にいると思うんだよ。Vチューバーをやるやらないを別として見てみないかい?」


 社長はパソコンと携帯のアプリを起動させてちょっといじると私を呼んでパソコンとスマホの前に案内する。


 そこに映っていたのは、少し小柄だがなんとなく私の特徴を取り入れてある小悪魔な雰囲気を持つかわいい女の子がいた。スマホと連動しており、私の動きに合わせてその子も画面の中で同じ動きを見せる。


「ほらっどう?かわいいでしょ?これに君の声が、重なれば完璧だと思うんだ。そして、もう一つここをこうするとこっちがアダルトコンテンツ用に用意したキャラだよ、顔はさっきより大人っぽくしてリアルな君により近いかな、体つきはある程度お客受けを狙ったんだけど、ちょっと1枚脱いでみて」


 社長は急に私を脱がそうとしてくる、恥ずかしくて抵抗するが恩があるので抵抗も弱くて結局脱がされてしまった。


「いや、大体の予想で作ったとはいえ大分キャラと同じスタイル何じゃないか?あれだな、着痩せするタイプでまさか、ここまで巨乳だったとは気が付かなかったよ」


 そうなのだ、私は着痩せしてあまり目立たないが、それなりの物を持っていると自覚しといる。まっすぐ立つと目立つので猫背がクセになってしまい体を痛めてしまっている。


「このキャラに君の声は、ギャップありできっと人気出るに間違いないよ。しかも、設定としては月の魔力によって覚醒したサキュバスを考えているんだよ。体形は狙った男の理想を再現して、大人モードから子供モード 巨乳 貧乳と自由自在に変化してどんな相手でもドチャシコでまさに性女だね」


 なんか聖女って言っていたがこの場合は、きっと性の方なんだろう。サキュバスなら確かに聖女より性女があってる気もしてきた。


「というわけで、まずは普通にVチューバーとしてデビューして認知を高めてくれたまえ。構わないかい?」


 私は社長の勢いに抵抗出来ずにやむなくVチューバーデビューすることが決まった。


「それじゃぁデビューも決めたことだし、名前をつけてあげなきゃね。まっこちらもすでに決めてはあるんだ。君と初めて出会ったときに見上げた月がきれいで、君とまた似合っていたから月に関する名前にしたくてね、霜月ユエこれが君のVチューバーとしての名前だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る