異世界現実 isekai real

プロローグ

異世界。

　 剣や魔法のファンタジー世界というのが、

　 最近の世界共通の認識だろう。

　 仲間と共に冒険し、成長し、迫り来るモンスターと戦い、

　 血と汗を流し、逞しく成長していき、魔王を倒す。

　 所謂、[友情・努力・勝利]が必須の世界なんだ。

　 最近では、[〜〜チート]や、[〜〜だった件]など

　沢山の異世界漫画が日本で、いや、世界中で流行っている。

　 挙句の果てに、

　 「仕事したくないから、異世界転生したいわー」

　とか、

　 「異世界でハーレム生活したい！！」

　など、

　 異世界に行きたいと言っている人も数多くいる世の中になってしまった。

　 モンスターが沢山いる世界のどこがいいんだ。

　 と、俺は思うね。

　 え？

　 漫画やアニメの話なんだから別にいいだろって？

　 そりゃ、空想の話をするだけだったら、俺だってこんなことは言わないさ。

「うわぁぁ！！！！腕が！！俺の腕が！！」

「お母さん助けて！！！！嫌だよぉぉぉ！！」

「やめて！！！食べるなら私にして！！お願い！！」

「終わりだ...こんなモンスターどうしたらいいんだ...」

「只今、日本では異世界からのモンスターによる死者が2000万人を突破しました。」

　 ほら、外を見てみなよ。

　 異世界なんて、ろくでもないだろ？

　 ファンタジーは漫画の世界だけで十分だよ。