疾風怒濤
常磐海斗・大空一守
疾風怒濤
第1話復活怒涛
俺の名前は「波風菟道(なみかぜとどう)」ごく普通の引きこもり不登校高校生だ。
俺の日常は毎日毎日パソコンやスマホに向かって顔を合わせ続けるかゲームセンターに行って金を使うだけのほぼニートのような生活を送っている。
親は何も言わない。高校は義務教育ではないからお前の好きにしていいが就職には金以外は葉にも手助けしないぞと軽く流されたまでだ。
まぁそんなことどうでもいい。今こうして充実した日常を過ごせているから一時の快楽に身を任せたほうが楽だろう。中学校の頃死ぬような思いで勉強し部活動にも専念してきた俺はやっとの思いで偏差値のまぁまぁ高い高校に入ることができたんだ。中学頑張ったから高校の一年生くらいは一ヶ月に一回行くか行かないかみたいな希少種モンスターのように扱われてきたんだ。この希少種モンスターの役割と徹底しないとな。
「だが、このままではやばいだろうな」
俺はむくりと布団をどけて起き上がり顎に手を置いた。
俺は将来楽しませてもらってるゲームをこっちが楽しませる側の運営側に回りたいと考えているのだ。
おれは毎日暇な生活を送ってきた。人間という生き物は好きなことには一生懸命になれる生き物だから、ゲームの情報やプログラミング・CGの技術は身に着けている。
だが、学歴がないと就職なんてできるわけがない。それはわかっている。単位を落とさないようにとは思っていても欲望に負けるのは当たり前だ。ゲームがしたい。推し活がしたいなどのよくは人間だからある。人間の三大欲求は性欲・食欲・睡眠欲だがこの中に新たな欲望を四つ位入れたいような気分だ。
「ゲームセンター以外に外に出る方法を考えなくては。」
俺が外に出る理由はゲームセンターに行きドンドン叩いたりつまみを回すだけ、運動目的で外に出たことはない。そろそろ図書館などに行き自立して勉強したりしないといけないのだろうか。
まだ勉学はいいが、運動に関しては家にいても実際運動神経は悪くなるばかり。実際陸上部で培った脚力は今はないに等しいだろう。
「やることリストを書こう!」
時間はいくらでもある。何せ学校にいる時間である九時間ほどの無駄な時間が俺にはないからな。
「えーっと髪を切りに行く、新しい服を買う、本や参考書を買い込む、プロテインや体を鍛えるダンベルなどを買う、あとは推し活のグッズを買いに行くくらいかな」
伸びきった肩まであるぼさぼさの髪を短くさっぱりさせて学校に行ってないから校則というめんどくさい壁がない俺にとってはいつでも髪が染められる。念願の髪を大好きな紫色に染めてみようかな。
あとは全然持ってない長袖の服を買いためる。
家にいる以上、最悪裸でも大丈夫な状況にある。だが外に出るにあたって下着姿や裸は一発アウトだ。警察のご厄介になる。
俺が一着だけ持っている唯一のパーカーをもっとたくさんいろんなデザインで買いたい。
外に出れるということは今まで出れなかった推しのコラボ喫茶や遊園地に行けるってことだ。そのためには推しのTシャツやパーカーも買わないと。
あとはプロテインやダンベルなどの鍛える用具。
家にいても腕を鍛えたりすることができるのはダンベルなどの筋トレ用品だ。
あ、そうそう、赤本とかの大学に必要な勉強用具なども買わないとな。やる気はあるんだ。その気になれば一日中勉強ができるくらいのな。
「そうと決まれば暇だから早く髪を切りに行こう!金をもらいに行かないと!!」
俺はいつもの半袖半ズボンの部屋着に疾風怒濤の勢いで着替えて、狂瀾怒濤のごとく階段を駆け下りた。
「母さん!!髪を切りに行きたいんだ!支給金を渡してくれないかい?」
「まぁ!あんたが自分から外に出ることのなんてゲームセンター以外にないと思ってたわ!」
「やる事リストを書いたんだ。学校に行かないなら単位が取れるように最低の出席は行ってあとは自分のペースで勉強する。そのために赤本も欲しいし、参考書も買い込みたい!あとは引きこもってると運動をしないから筋トレ用具なども欲しい!!」
そんな言葉をノリノリで言っていると母さんの目から一筋の涙が零れ落ちた。
「あんた!学校に行かないなんて言ったときはどうしよかと思ったけど、やる気は誰にもましてあるもんな!!お前ならできる!この二万円を使っていろんなものを買ってきな!足りなかったらもっと出すよ!将来が楽しみだよ!」
「ありがとう母さん!!行ってきます!」
僕は駆け足で玄関に向かい、せわしない動きで靴を履いた。自分の五年後が楽しみで仕方がない。
バッと勢い良く扉を開けた俺は気分の良さのせいか、目をつぶって太陽に向けて手をTの字にして大きく広げた。
「ちゃんとした理由での外出!気分がいい!!」
俺はそのまま道を気分の良さのせいで目をつぶってゆっくりと大型ショッピングセンターに向けて歩き出した。
そこで事件は起きたんだ。
「え、、、、、、、、、、、、、俺、空飛んでね?」
まるで浮いているかのような清々しい気分になったと思い目を開けると俺は空を飛んでビルをも超える高さまで来ていた。
「なんだこれ!やばい!!!落ちる!!!」
俺は急に浮遊感をなくし落ちると確信した。案の定体は自由落下の法則で無慈悲にも地面へ落下していき地面が目の前になった瞬間怖くて目を閉じた。その直後に轟音が鳴り、俺の体の周りを風が包んでいた。
何もわからず困惑してしゃがみこんでいるとそれを目撃した人が続々と集まってきた。
「大丈夫ですか?」「何が起こったんだ!?」「えぐいて!」「あのお兄ちゃん飛んでたよ」
呆然としているとそこがショッピングセンターの前ということに気が付くまで五秒ほどかかった。
すると、天気予報などが流れている大型テレビビジョンがプツンと音を出して真っ暗な画面になり、一人の灰色の髪の男が映った。
「こんにちは。僕の名前は「西森要(にしもりかなめ)」一人の中学生なんですが、僕は風を司る神になってしまったらしいんですよ。そんな僕の独断と偏見で選んだ人生に希望を持っている人十人を選んで話し合いでも何でもいいから一人を選んでください。その一人にはめんどくさいので神を代わってもらいます。そしてその人にはこう名乗ってもらいます。
――疾風怒濤の神―― ってね。
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