御伽噺戦争・VR旅行記三回目
やあ、こんにちは。
つ なだらかな穀倉地帯、麦の穂の美しい波
今回は戦乙女公国ワルキュレアの首都南門から出た先をお届けしていこう。
いや~、南門から出てびっくりしたのはこの美しい麦穂の波だよ。この辺りは風が穏やからしくて、ほんのりと吹く風になびくその映像は感嘆の一言だ。
ただ、こちらを見てほしい。
つ 家畜とのどかに過ごす農民らしいNPCの姿
つ 急ごしらえに見える若干みすぼらしくも見える小屋
つ 質素な麦がゆしかない食卓、テーブルは今にも壊れそうなほどボロボロ
首都の城壁の外、それ以降は策すらないこの場所に、まさかNPCが住んでいるなんて思わなくてね、びっくりして思わず写真を撮ってしまった。
そして、この場所に住むNPCの一人に聞いて、どうしたもんかと頭を抱えてしまったよ。
これは、コンシューマ版にはなかった設定だよ。
前回、プレイヤーは三職の職業ギルドのいずれかに所属しなければならないと記載したけれど、それはプレイヤーが複数存在することに起因する。
もともと、プレイヤーは「星降人」と呼ばれる、この世界の中でも特殊な「次元を超えてやってきた存在」であると認識されてるからなんだ。
この星降人、通常であれば同じ時代に一人しか存在しない。でも、歴史上まれにみる戦乱の世の中に、世界が一人しか呼び寄せなかったはずの星降人を大量に呼び寄せた。これがVR版の設定だ。
で、本来一人しかいないはずの星降人=プレイヤーが大量にやってきた。しかも国によっては何千、何万という人数で。
ワルキュレアでそのしわ寄せを食らったのが、彼ら南門の先のNPCだったわけだ。
彼ら、もともとは城下町の南側に家を持って住んでたんだって。そう、わたしたちプレイヤーを受け入れるために、彼らは自分たちの住居を追われ、この南門の先に住むことになったようだよ。
あ、けして無理やり追い出されたわけじゃなくて、現公爵から私たちがやってくる数か月前にお触れがあって、北の貴族街の住人以外で移動が可能な家庭が移動して、移動が難しい家庭で南に住んでた人は東に引っ越したようだよ。
いやあ、東のほうに住んでる人の中に若干挙動がおかしい人がいたのは気づいてたんだけど、そういうことか~と納得してしまったよ。引っ越ししてまだ日が浅いから、導線が定まってなかったからなんだね。
つ 笑顔で笑いあう農民の姿
つ おいしそうな農作物を乗せた木のざる
この世界がどういう風に設定されたかはわからないけど、コンシューマ版の時よりも、この世界にいるNPCが生きてる感じがして、わたしはとっても満足だよ。
こちらは、わたしにさっき説明した引っ越しのことを教えてくれた農家さんだよ。
とってもいい笑顔だろう? なんでも、もともとは西のほうで農作業をしてたそうなんだけど、西ってほら、今はギルド戦用のマップになっちゃってるでしょ? もともとあの辺りは周辺諸国との紛争地帯だったんだってさ。
正確には、もともとワルキュレアが納めてた地域なんだけど、農業向きの土地で、近隣諸国がそれを狙って侵攻してきたのを防衛しているラインになっちゃったんだってさ。
そのうちそっちのほうにも行ってみるので、行ったら写真をお届けするよ。
ちなみに、ワルキュレアで穫れた麦はワルキュ麦って言って、世界でも高級品に当たる高品質らしいよ。
つ おいしそうなパンとジャム
えー、歴戦の読者諸君は知ってるかもしれないけれど、わたしはほんっとうに食レポができない人種でね……?
今のフルダイブ式は五感を見事に再現してるし、こと日本作成のVRは味覚にと~~~~っても力を入れていることは周知の事実だと思うけれど、わたしはね、……とっても味覚音痴なんだよ。
…………なんだかな~。おいしいorまずいって感覚はわかるんだけど、こう、おなかに入ったら全部一緒じゃない? おいしかろうがまずかろうが、エネルギーになったらそれでいいよね? って考え方だから……。
だから、これからもおいしそうな食事とか食品の写真は掲載するけど、食レポは求めないでね? それは自分で確かめてみてね!
わたしは絶対食レポしないからね。ね。
つ 畑を隔てる用水路とその奥に見える川
つ 川向うに見える草原と森林
つ そこそこ川幅の広い川、遠目に山が見える
で、この畑周辺はこんな感じ。
まだ現実味のある景色なんだけど、人の手が入っていない感じはいいねぇ。人の手が入った自然も美しいけれど、手の入っていない自然は厳かな感覚があって、わたしはそちらのほうが好きかな。読者はどちらが好きとかあるかな。
つ 相変わらず見切れる右手ピースとのびのびしている家畜と農家の姿
これ以上書くと食レポをしなければならないような強迫観念に侵されるので、今回はここまでにしようかな。
この辺りに住んでる農民の皆さんとお話しするときは、わたしの取材記事を見たといえば少しは面白い話が聞けるかも?
さて、次回はせっかくだから川の上流へ向かって歩みを進めてみようと思う。
ようやく、メルクリの神秘に触れていけることにワクワクしているよ!
次回を楽しみに待っていてくれ。
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