楽しい後は

日枝さんとまた今度飲みに行くことを約束してマンションへと歩いて帰る。

いや〜楽しかったな。

久々におっさん2人で飲んだけど、やっぱり落ち着く。

料理も美味しいしお酒も美味いし気分は上々というやつだ。

軽く熱った顔に夜風が気持ちいい。

今日はコンビニには寄らないで部屋まで直帰だ。

道中俺と同じくほろ酔いのサラリーマンらしき人がチラホラ見受けられる。


「ただいま〜」


誰もいないけど、なんとなく癖になっている。

ちょっと前まで日枝さんと楽しくやっていたからか、1人の部屋がなんとなく寂しく感じてしまうのは仕方のない事だろうか。

感傷的とでもいえばいいのか、両親の顔が頭をよぎる。


「今度の連休で帰ってみるのもありかな〜」


親不孝というか、お正月くらいにしか静岡の実家に戻ることはない。

本当は防衛機構に入る前に一度帰ればよかったんだろうけど、帰るといつも彼女はできたのかとかお見合いをしないかとか言ってくるので、どうしても足が遠のいていた。

親の贔屓目というのもあるのだろうけど、無理なものは無理なのだからいい加減諦めて欲しいものだ。

俺が40になったって事は両親は70近い。

孫の顔を見せてやる事ができない以上、俺が孝行するべきなのはわかっているけど、実際にはそうなってはいない。

来月の給与も今月くらいあれば、親孝行しても十分にお金は残るし何かするのも悪くないかも。

まあ、そんな事を考えていても、いつもなあなあになってしまい実現された事はほとんどない。


「ん? 凛からか」


スマホをみると凛から連絡のようだ。

日枝さんと楽しく飲んで今家に帰ってきた旨を返信する。


“今日どうだった?”

“初めてのお店だったけどすごくよかったよ”

“私も行ってみたいな”

“是非”

“今度の連休の前とかどう?”


凛と今日のお店に行くのも楽しみだけど連休の前か。


“今度の連休はちょっと”

“どこか行ったりする?”

”決まりじゃないけど、実家に戻ってみようかと“

”実家?“

”うん、浜松なんだけど、たまには顔見せた方がいいかなと思って“

”そうなんだ”

“帰るたびに結婚結婚言われるから、足が遠のいてたんだけどなんとなくね”

“りんたろ〜私静岡行ったことないな〜”

“そうなんだ。こっちみたいな事はないけど住むにはいいところだよ”

“りんたろ〜は将来戻ったりする?”

“どうかな〜今は考えてないけど将来はわからないな”

“私も行っていい?”

“どこに?”

“りんたろ〜のおうち”

“うち⁉︎”

“そう、せっかくの連休だし”


凛がうちの実家に?

冗談……でもなさそうだけど。

うちの実家に来ても何もないぞ?


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よろしくお願いします。

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