それでも会社は休めない
「ぐあああっ」
痛い。
少しずつ身体を動かしどうにかベッドの端まで来たけど、そこからは落ちる以外に方法がなかったので覚悟を決めて床に落ちてみたけど、思っていた以上に痛い。
「くうううう~~っ」
痛みを耐えていると、墜ちたことが功を奏したのか、さっきよりも身体の可動域が広がっている。
そこから数時間、悪戦苦闘しているうちに身体がほぐれてきたのかどうにか動くことが出来るようになった。
動かせるようになったとはいえ動くと痛いのは変わらない。
どうにかトイレにも辿り着けるようになったので最悪の事態だけは回避できた。
スマホを確認すると、いろんな人から連絡が入っていた。
「課長まで」
なんと前職場の課長まで連絡をくれていたのには驚いた。
どうやら昨日の配信を見てくれていたらしい。
流石にライブ視聴ではないと思うけど、俺の事を気にかけてくれているのだろう。
心配の言葉もありがたい。
知り合いから、こんな連絡をもらうと本当に世界に向けて配信されているんだという実感が僅かに湧いて来る。
他にも何人か知り合いが同様の連絡をくれ、凜と大仁田さんも連絡をくれていたので、順番に返信しておいた。
タップするのに親指を動かすと、付け根の部分が痛んだのには難儀してしまった。
当然、買い物に行けるような状態ではないので常備してあったカップ麺を食べてこの日の夕飯としたが、久々に一食だけで終わらせてしまった。
翌朝目を覚ますと、どうにか身体は動いてくれた。
痛いのは痛いけど、かなり良くなってる。
昨日はおとなしくして、多少眠ったからもあるのか回復している。
昨日の感じだと、とてもじゃないけど出社するのは無理かとも思ってたけど、これなら何とかいけそうだ。
もしかして、ダンジョンに潜るようになってから何度か筋肉痛になってるから耐性が付いてきてるんだろうか。
タクシーを呼ぶのもアリかとは思ったけど、それも憚られたのでいつも通り歩いて出社することにしたが、かなり早めに出た。
結果、正解だった。
かなり早めに出たのに到着するといつも通りの時間となっていた。
もう少しで事務所に到着するというところで声をかけられた。
「花岡さん」
「はい。あぁ、山口隊の」
「新藤です。一昨日は花岡さんのおかげで命拾いしました」
「いえ、お互いに助かってよかったです」
「花岡さん、もしかしてこのまま事務所の正面に向かってます?」
??? どういう意味だろうか。質問の意図がよくわからない。
これから出勤なんだから当たり前だとおもうけど、何か問題があるんだろうか。
ご挨拶
本年はお世話になりました。
更新ペースは落ちてきていますが、非モテサラリーマンは来年も継続予定です。
来年もよろしくお願いします。
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