修太朗覚醒⁉︎
俺の代わりにオーガロードと戦ってくれている。
湊隊長をもってしてもオーガロードを完全には抑え切れてはいない。
ただ、湊隊長は近接戦闘を繰り返しているにもかかわらず、常時並行詠唱を続け、単発ながらダメージを与える事に成功している。
すごい。
感心している場合じゃないけど、その動きは華麗という言葉がふさわしい。
魔法によるブーストがあるから一概には言えないけど、身体能力は体格から言っても湊隊長より俺の方が上だろう。
それが、オーガロードと渡り合えている。
特筆すべきは、やはりこの状況下での並行詠唱。
今の俺では無理な芸当だ。
俺が出来るとすれば……。
「この現世に住まう精霊よ、我が盟約に従いここにその力を示せ。原初の炎よ舞い踊れ! 『ファイア』」
『ファイア〛の炎を錆びた剣へと纏わせる。
続けて魔法を発動させる。
「この盾は、すべてを護る絶対の擁壁。あらゆる敵を弾き、我に光の加護を授けよ。我は拒絶し我は決意す『マジックシールド』」
「大気に宿る悠久の精霊よ、その零下の息吹を放て。我が求めに応えて、ここにその姿を現せ! 『アイスバレット』」
「その翼は敵を裂き、その吐息は空を穿つ。幾千の刃を纏いしその気高き咆哮を敵に示せ『ウィンドスピア』」
要領は『ファイアバレット』とかわらない。
別々の魔法を意識下にとどめコントロールする。
闘いながらが無理なら、戦う前に用意しておけばいい。
既に『ギリスマティ』を発動していることもあり、5つはキツイ。
だけど、今の俺でも4つならギリギリいけそうだ。
遠距離から一発ずつ当てるのも一案だがオーガロードには『ファイアバレット』を耐えられてしまっている。
やはり剣との合わせ技。
まだ体力が完全に回復したと言える状態にはない。
だけど、湊隊長が肩で息をし、明らかに魔法の発動も滞り始めた。
これ以上は、休んでいる場合ではない。
「湊隊長、俺がやります!」
どうにか足にも力が入る。
オーガロードに向け駆け、湊隊長の前に出る。
即座に『マジックシールド』を展開し、オーガロードの攻撃を封じる。
続けざま『アイスバレット』を発動しオーガロードの身体を抉る。
今度は湊隊長が時間をくれたおかげで身体が反応してくれる。
炎を纏った剣でオーガロードに斬りかかる。
オーガロードも反応をみせ手に持つ武器で受け止めるが、蒼白い炎がオーガロードの武器を溶かしその身体にも炎の刃を刻み込む。
待機させていた『ウィンドスピア』をオーガロードの頭へと叩き込む。
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