お金の使い道
手取りで90万。
総支給は当然もっと多い。所謂3桁。
うん、俺に人生の中でボーナスでも手取りはこんなにもらったことはない。
凜を見ると、特に驚いた様子もないので、本当にこれが支給額であってるらしい。
これで配信のインセンティブが入ってないって支給されたらどうなるんだ?
手取りで3桁……。
「はは……」
人間本当に驚くと乾いた笑いしか出ないらしい。
確かに、防衛機構の仕事は危険がある。
だから、割り増しがあるのは理解できるけどそれにしてもだ。
凜の部屋にも驚いたけど、こんなにもらってるから大丈夫だったのか。
もしかして桜花さんのあのマンションもか?
いや、あれはさすがに桁が違うか。
「ふ~~っ」
落ち着け。落ち着け俺。
家賃と生活費でおよそ20万円。
90万あるとそれを差し引いても70万円残る。
70万円。
栄一さんが70枚だ。
プレミアム酎ハイを毎日飲んだとしてもかなり余る。
いままでこういう状況になったことがないので、まったく想像力が働かない。
いや、まて。今月は凜が魔石が手に入ったからと言ってたぞ。
今回たまたま多かっただけなのかもしれない。
「ひとついいかな」
「なに?」
「これって、今月は特別多かったりする?」
「配信分が入ればもっと多いよ~」
うん、来月以降はこれより多いって事か。
冗談抜きでこれからどうすればいいんだろうか。
お酒の量は増やせないし、弁当をちょっといいのにしてデラックスとかスペシャルにしてみようか。
今のところ特に欲しいものもない。
親に仕送りか。
もう、いい歳だし、それもいいかもしれない。
今まで自分の生活とちょっと貯金するので仕送りするほどの余裕はなかったしな。
人間ってお金が少ないときは、あれこれ買いたいと思うけど本当にお金が手に入ったら買うものがない。
「りんたろ~何食べたい?」
「焼肉?」
「じゃあ、焼き肉にしよ~」
そういうわけで、そのあと凜と2人で少しいい焼肉屋に行くことになった。
高額の食事でぱっと思いついたのが焼肉だった。
初めてくるお店だけど一人前がいつもの倍くらいの値段だ。
だけど確かにおいしい。
肉が柔らかい。
これがブルジョアの味か。
懐があったかいのでお金を気にすることなく存分に楽しむことが出来た。
この日の会計は2人で1万7000円だった。
俺がお酒を一杯しか飲まなかったので凜も合わせてくれたのか一杯だけだったけど、仕事終わりの高級焼肉は格別だ。
凜と2人で楽しい時間を過ごすことが出来たし決して高い値段ではなかった。
凜が奢ってくれようとしたけど、日頃お世話になっているので俺が奢らせてもらった。
それに40歳の俺がお金を出さないというのはさすがに憚られるのもある。
今日の焼肉もよかったけどいつもの焼き鳥も捨てがたい。
今度は焼き鳥に誘ってみようかな。
お知らせ
本日24時からHJ文庫モブから始まる探索英雄譚の電子版発売解禁です。
bookwalkerさんは特典SS付き。
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます