インタビュー4
休みが多いと、嬉しいけどだんだんやる事が無くなってくるのが難点だ。
ウォーキングがてらに食材を買いに行った以外は、特別な事は何もないまま1日が終わってしまった。
これからずっとこの生活が続く事を考えると、何かしら新しい趣味を見つけるのもいいかもしれない。
基本家でも転がっている時間が長いからか、筋肉回復にはいいらしく、以前から続いていた筋肉痛はかなり軽減している。
休み明け、いつものように歩いて出社して後藤隊のところへと向かう。
最近は、受付の人が顔を覚えてくれたらしく挨拶をしてくれるようになった。
やっぱり朝から気持ち良く挨拶してもらえると、テンションも上がる。
「今日の予定ですが、順調に進めれば5階層に足を伸ばそうかと考えています」
「まあ、いいと思うっす」
「サクサク行けば、それだけ数字も伸びますしいいと思います」
「りんたろ〜は初めての5階層だね」
5階層か。
先日4階層に降りたばかりでもう5階層。
正直早すぎるんじゃないかと思ったりもしなくはないけど、隊長判断なら問題ないんだろう。
そんなやり取りがあり、早速ダンジョンへと向かう。
5階層を目指すからといって特別な装備があるわけでもなく素早く身支度を済ませダンジョンへと潜る。
ダンジョンの中には今日もモンスターが湧いている。
後藤隊が2日に一度、他の隊も同様のペースで潜っているので毎日のようにモンスターを排除しているのに一向に減った気がしない。
逆に防衛機構が稼働しているから今の状態が保たれているとも言えるので、本当に重要な仕事だ。
「はい、それでは花岡隊員にインタビューです」
「え? 今ですか?」
「はい、準備なしの方が素の花岡隊員が見られると思うので」
「そうですかね」
探索の途中、桜花さんからのインタビューが突然始まってしまった。
勿論断るという選択肢はないのでいつものようにしっかり答えるべく質問を受ける。
「はい、それでは花岡隊員、昨日はお休みでしたがどうされていましたか?」
「どうと言いますか、家で過ごしてました」
「家で? お一人でですか?」
「勿論1人です」
「休日に一緒に過ごされるような方は?」
「残念ながらいません」
「募集中という事でしょうか?」
「募集中というか、そういう方がいればいいなとは思います」
「では、花岡隊員が休日一緒に過ごしたいと思える相手とはどのような方でしょうか?」
一緒に過ごしたいと思える相手って、そんなの考えた事もないけど、答えないわけにはいかない。
「一緒にいて落ち着ける方がいいと思います」
「落ち着ける方ですか。花岡隊員は静かな女性がタイプという事でしょうか?」
「いえ、そういうわけでは。明るい方も一緒にいると楽しくなると思います」
「ちなみに食事とかはどうされているんですか?」
「弁当を買う事が多いです。昨日もスーパーで弁当を買って食べました」
「じゃあ、食事をつくってくれるような相手がいれば嬉しいですね」
「そうですね〜。手料理なんか滅多に食べれないので憧れますね」
「花岡隊員は手料理希望だそうです。一緒にいたい相手の年齢とかありますか?」
「年齢ですか? いや、考えたこともないです。もしそんな方がいるなら何歳でも。いてもらえるだけでありがたいです
「何歳でもOKだそうです。花岡隊員はオールラウンダーですね」
桜花さん、オールラウンダーの意味がわからないです。
それに、いつもだけど、俺の日常というか個人的なインタビューって需要ありますか?
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