4階層へ

昨日は部屋でゆっくりしてたおかげで、筋肉痛もかなり改善したし今日は万全の状態で出社だ。


「おはようございます」

「りんたろ~聞いたよ?」

「え~っと何を?」


出社して隊のみんなに挨拶するとすぐ声をかけてきたけど、すぐには何のことか思いつかない。


「出待ちにあったんでしょ?」

「ああ、あれ?」

「大丈夫だった? 油断してたよ~。やっぱり早いな~」

「え? 全然大丈夫だったけど。ちょっとごちゃごちゃして迷惑かけたかもしれないけど警備員さんがちゃんとしてくれて」

「りんたろ~その感じだとわかってないな~」

「だから何を?」

「今はまだいいかもしれないけど人数が増えたらいろんな人がいるんだよ? りんたろ~の家までストーカーする人とか、盗撮する人とか」

「そんな、バカな。はは……うそ?」

「本当」

「これは凜さんが正しいですね」

「桜花さん」

「修太朗さんが、対応してくれることが広がれば大変なことになります。人数だってすごい数になるかも」


凛と桜花さんが言っていることに現実味は全然ないけど、2人の顔は真剣そのものだ。

今日はもう出待ちなんかないだろうと高をくくってたけど、そんなことないのか?


「え~っと俺はどうしたら」

「裏口から帰るしかないですね」

「裏口なんかあるんですか?」

「あるよ~ここも結構偉い人とかも出入りするから~」

「そんなところ俺が使っていいんでしょうか」

「あたりまえでしょ~。りんたろ~は時の人だよ」


時の人……。

さすがにそれは言い過ぎだとは思うけど、防衛機構にも迷惑をかける可能性がるならそうした方がいいか。

2人からのアドバイスをもらってから、今日もダンジョンへと向かう。


「大仁田さん体調はどうですか?」

「ああ、もう完璧っす。もうその剣には触らないんで問題なしです」

「皆さん、今日は何もなければ4階層から先に進もうと思います」

「了解です」


4階層か。

俺にとっては初めての階層だけど、後藤隊にしてみれば3階層とそう変わりないんだろう。

気合を入れて、ダンジョンを進むことにする。

もう2階層迄は結構慣れてきたので、サクサクすすむ。

大仁田さんも本当に体調は回復したようで元気に大斧を振り回しどんどんゴブリンを狩っていく。

それにしても、後藤隊以外の隊も毎日潜っているというのに全くゴブリンの数が減っている様子はない。

いったい、どこからこんな数のゴブリンはやってくるのだろう。

昨日読んだ本でも少し触れてたけど本当に異世界だったりするのか?

それとも、ダンジョンで自然発生的に生れ出ているんだろうか。

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