火辛熟々(ひつらつらつら) その1

「……はい始まりました『火辛熟々』第一回、司会進行をさせて頂きます、皇焔と申します。どうぞよろしくお願いします〜」



 あー、緊張する……。

 とにかく台本通り読むしかないか……。



「えー……、この『火辛熟々』では、僕ら火辛メンバーの〝今だから言えること〟や〝裏話〟などを簡単に話していきたいと思います。メタい発言などあるかと思いますが、それも一つの作品としてサラッと流していただければと思います」



 初回だから一応主人公の僕が司会になったけど……別の人にもやってもらいたい……。

 こういうの苦手だし……。



「……はい。では初回のゲストということで、如月文華さんに来てもらってます」


「こ、こん……ちは……」


「あれ、緊張してますか?」


「そ、そんなこと……あるわけ……ないで、しょうがー……!」


 ……如月さんって見た目ヤンキーだけど思ったより全然普通なんだよな……。

 人は見た目じゃわからないってホントだよね。


「まあ、喋ってれば緊張もほぐれていくでしょう。 ではよろしくお願いします!」


「……はい」


「作者からは、『大体2000文字程度で』と言われてますので、そこまで長くはならないと思います。では、お便りのコーナー。如月さん、読んでください」


「え、あたし!? は、はい。えーと……『皇はオジイから才能ないと言われていましたが、居合の技を2ヶ月で覚えたのなら凄いと思う。あと、色々な技名とか魔法名が出ますが絶妙にダサい』とのことでした……」



「居合ですね。あれは爺ちゃんが前世で覚えていた、実際にある居合技の《霞》を僕なりにアレンジしたものになります。覚えたと言っても、【マッドドール】に初めて使用……あの時はまだ未完状態でした」


「え、でもホッくん泥人形を消し飛ばしたんしょ? じゃあ完成してたんじゃん?」


 消し飛ばしたって……(汗)

 本編では知らないことになってるんだけどな……。


「えと……《霞》は簡単に言ってしまえば左からの横薙、右からの横薙の2連撃。誰がやってもそれだけで《霞》といえばそうなんです。言うだけならそう名乗れるのです」


「ふーん、そうなんだ。でもそれで副担任倒したんだから凄いじゃん!」


 それも事故なんだけどな……。


「【マッドドール】を倒したのは火の力によるものが大っきかったんだけどね……。この世界に来てから火の力の伸びが良くなったんだよな……。それは良く分からないんだけどね」


「うーん……、なんだろね、前世とここじゃ〝酸素が違う〟……とか?」


 異世界から来たってことも本編じゃ知らないことになってるんだけどな……。


「……って、おー! 酸素! 確かに! それあるかも! ちょっと今納得したよ!」


「え、え? 適当に言ったのに……。そんなにしっくりきたの」


「だって、火が燃えるのに酸素って重要じゃない? それに成長にも関わりありそうかなって」


「あ、う、うん……。そう、そうね!!」


「ありがとう! これで少し謎が解明できるかも!」


「う、うん良かった(ホッくんってチョロイのかな……)」


 爺ちゃんは昔から強かったけど、ここに来てから磨きがかかったとか言ってた気がする。

 それが空気のせいと言われれば納得がいく。


「技名の方は……? ダサいとか言われてんですけど?」


「それはねぇ……、仕方ないと思うんだよね……。僕はありきたりなの、あまり好きじゃないし」


「ホッくんは良いと思ってつけてんだからそれに対して文句言うんじゃないんだよなー!」


「怒ってくれてるの?w えと、この世界では技名が重要になってきます。特許みたいなもので、登録しておけば他の人が使用でき、使用料も入るみたいです。だから、魔法使用時にその魔法名を口に出して宣伝をしているんです」


「まあ魔法は手当たり次第に覚えても熟練度とか上がんないしー。自分が得意じゃない属性とか相性もあるから無駄になるしー、超頑張っても無理なのもあるしー。あと変な名前なのは覚えたくないからー」


 ……そういう如月さんの魔法で、確か……【なんとかスピア・槍】みたいのあったんだよね……。

 槍の槍って……。

 だから英語の綴りとか横文字の誤字とか、間違えたら恥ずかしいことになるんだよな。



「ん……? ホッくんどしたの?」


「あっ、いや何でもないよ! ちなみに僕のは魔法じゃないから魔法特許に登録はできない……。それでも、魔法への憧れと、スキルとして区別するために技名を実際に言ってます」


「人によってはわざわざ詠唱してる人もいるし。魔法って雰囲気大事だかんね」


「そういうことです。皆さんも是非、素敵な名前を考えてくださいね」


「ホッくん、お便りあと一枚あるよ」


「はい、では続いて読んでください」


「はい。えーと、『見ていて歯痒いのですが、この三角関係はどこまで続くのでしょうか? ……ん? ……如月さんは皇くんのどこを好きに――ひょえ!!?』」


「ど、どうしたの? 大丈夫!? 何て言ったの?」


「『す、皇くんは……の、の……ノドグロは好きですか?』って」


「へ……? の、ノドグロですか? 食べたことないですね……。最初の三角関係ってなんです?」


「さっ! 『三角関はどこまで知ってますか!』って!」


「ん……、三角関数なんて山程ありますが……正弦、余弦、正接をそれぞれ――」


「あっ! もう大丈夫! 解決した!(三角関係は解決してないけど……) ほら、もう2000文字超えちゃってるし!」


「……あ、ほんとだ。ではそろそろ第一回火辛熟々を終わりにしたいと思います。ちなみに、コレ完全に作者の思いつきなので……次回があるかは謎です」


「他の作品でもメタメタにメタいのあるから仕方ないんじゃん? パロディも多いし」


「まあ何にせよ、評判が良ければまたやるかもしれません……」


 見てくれてる人自体少ないから完全に自己満なんだけどな……。

 まあ、飽き性な作者がコレだけ続いてるんだ。

 作品が完結するか、途中で飽きるか、志半ばで倒れるかするまで僕は見守るか。


「それではまた次回お会いしましょう〜」


「グッビィ〜g(@v@)b」


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