猫耳フードで生脚出してるダウナー系オタク後輩女子と昼下がりの部屋でダラダラおうちデートする関係になったら

佐波彗

第1話 ダウナー後輩の朝は遅い

(部屋。衣擦れでごそごそする音)



「ふぁ……」※あくび


「あれ? せんぱい?」


「ん~、もうそんな時間だったんですかぁ……?」


「せんぱいが学校から帰ってきてくれたってことは、もう夕方ですよね~」


「え? まだお昼? 今日は午前中だけの授業で終わる日だったんですか?」


「良かったです。じゃあ、まだ寝れちゃいますね……二度寝しまーす」



(掛け布団を剥ぐ音)



「わ。何するんですかぁ。莉々菜はおふとん掛けなきゃ寝れないんですよ?」


「……はいはい。わかりましたよー。起きます。よーするに、せんぱいは莉々菜とお話したいんですよね?」


「うふふ、せんぱいのことはぜーんぶお見通しですよ」


「そうじゃないとー、せんぱいのカノジョはやってられませんからね」


「ふぁ……」※あくび


「いつもよりちょっと起きるのが早いんでー、あくび出ちゃいます」


「いいじゃないですかー、ダラダラペースでも。せんぱいみたいに普通の公立高校と違って、莉々菜は通信制ですから」


「好きな時間に勉強できちゃえるのが最大のメリットなんです。成績さえよければ、ダラダラしててもいーんです」


「だから平日でも徹夜でゲームできちゃえるんですよ~?」


「うらやましーい?」



(ぽふん、と投げた枕が顔に当たる音)



「わぷっ」


「もー、枕投げないでくださいよ~」


「ていうか、立ってないで座ったらどうですかー? いまさら遠慮なんてしないでくださいよ。莉々菜の部屋は、せんぱいの部屋みたいなものなんですからー」


「ほらほら、遠慮せずにベッドへどうぞ」



(ぽんぽんとベッドを叩く莉々菜)


(仕方ない、という感じでリスナーがベッドに腰掛ける音)



「まー、莉々菜はせんぱいのそばでゴロゴロさせてもらいますけど」


「ごろごろ~」



(ベッドが軋む音と、衣擦れの音)



「なんですか、せんぱい? じっと莉々菜の脚を見て」


「え? パーカーの裾がめくれること、今更気にしてるんですか?」


「たしかに、見た感じは莉々菜のふにふに太ももの生脚がパーカーからにょいんって伸びてる感じですがー」


「でも安心してください。パーカーの下は、ほら、ちゃんとスパッツを穿いてますから。めくれてもだいじょーぶ」


「せんぱいから言われたことをちゃーんと守ってるんですよ?」 


「莉々菜は別にパンツのままでよかったんですけどー、だって、楽ですから? でもせんぱいの希望ですしー」


「スパッツ、好きなんですよね?」※煽る感じで


「ぴっちりしたスパッツのおかげで強調される、莉々菜のボディラインがたまらなく好きなんですよね?」※煽る感じで


「せんぱいは、スパッツァーな莉々菜のことー」



(ぺちんという音)



「痛っ」


「お尻叩かなくていいじゃないですかー。せんぱいがカレシじゃなかったら、セクハラで訴えちゃいますよ」


「まあ、せんぱいがちょっと変態さん入ってるのは承知の上ですから」


「そういうせんぱいも、カノジョとしては受け止めてあげないといけませんからね!」


「それに、せんぱいがうちに来てくれるのはやっぱり嬉しいですよ」


「通信制だと、どうしても外に出る機会減っちゃいますから。こんな莉々菜でも、人恋しくなっちゃう時があるんです」


「でも、会いたくない人と一日の半分も顔を合わせないといけない環境よりはずーっとマシですよね。中学の時よりずっと学校生活が好きですよ」


「うふふ、ごめんなさい。もう気にしてませんから、せんぱいがそんな悲しそうな顔することないんですよ?」


「せっかく二人きりなんですから、楽しいことしましょうよ」


「せんぱいみたいに毎日のように学校に通っちゃう人は、知らないうちに疲れが溜まっちゃってるはずです」


「ただでさえせんぱいは責任感強いですから。人一倍疲れちゃうはずです」


「そこで莉々菜の登場ですよ」


「ここにいる間は、お外の世界の難しいことなんて何も考えなくていいですからね?」


「じゃあ、せんぱい?」


「――今日は一緒に、ダラダラしちゃいましょう?」※囁く声

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