Ⅳ.Super Luxury Rresort
静まり返った寝室。
そこに突如として目覚ましのベル音声が鳴った。寝室を一瞬にして走り抜け、その音は止んだ。
デジタル液晶には午前2時とあり、まだ日は昇っていない。カーテンの隙間も暗いままだ。
全ての身支度が整い、集合の学園へ向かう。無論2時台なので公共交通が動いているはずもない。小一時間徒歩で移動。これが結構キツいのである。
暗い朝道を寒がりながら歩き、学園に着いた。既に数人は来ているらしかった。
「理那斗くん、おはよう!」
「おはよう!早いね」
声の主は
「流石に寒いよね。」
葉蓑さんはガクガクブルブルと震えている。
「これから暖かいところに行くのにね。てかだいじょぶ?」
葉蓑さん、親指を立て、
「問題ないっ!へーっくしゅん」
「おい」
全員が集まり出発式が催された後、クラス毎に貸切バスに乗り込んだ。
よく高速道路を走っているタイプの大型バスだった。午前4時ほど。まだ日が昇っていない中、バスは出発した。
道中ではバスレクが催され、カラオケ大会やしりとりで盛り上がった。こりゃあ休みを取っておいて良かった。1時間ほどバスに揺られ、目的地に着いた。
「あれ?まだ……」
降りた時にこう思った。
「太陽昇って無くね?」
近くにいた葉蓑さんも同じことを思っていたようで、
「着く頃には朝日を拝めると思ってたけど……」
何も見えない。辺りはまだ暗く、朝焼けがかすかにあるくらいである。ここで、
「みんな、ホテル行くよ!」
案内されるがままに中へ入り、入所式が執り行われた。
そのホテルは凄かった。語彙力が無くなるくらい凄かった。エントランスだけでも億は超えていそうなつくり。高い天井、大理石の床、暖色系の装飾と光源に目を奪われる。
「いつしかの記憶がぁ……」
俺は前に国家間の対談の盗み聞きの任務で、似たような豪勢なつくりの施設に行ったことがある。あの時は銃撃戦に巻き込まれて大変だったなぁ。
部屋も広く、ホテルあるあるの奥にある謎スペース(
今度集合したのは大ラウンジ。ここも億はかかっていそう。かなり大きいカーテンが目の前に広がっている。学年全員が集まってもスペース的には全然余裕。ドリンクサービスがあったので、ありがたく
時刻が午前5時53分になる頃、カーテンが自動で開いていった。
「わぁ……」
不覚にも
とてつもなくきれいな朝日のご来光を拝めることができたからだ。天燃ゆるとはよく言えたものだなぁ。東の空は鮮やかに色づいている。そして辺りの景色に彩度を与えている。オーシャンビューだったことがより一層素晴らしかった。
周りのヤツらもざわざわしている。まぁ、こんな景色見せられたなら驚くわな。
「理那斗くん、凄いねこれ!」
葉蓑さんの目は輝いていた。突然の会話だったので面を食らい、うん、としか返せなかった。
その後 日も昇りきった頃、ホテルのプライベートビーチで目一杯遊んだ。この季節なのに海水が程よく温かくて快適に過ごせた。白い砂浜、青い海、最高。
お昼以降は班行動なので私服に。
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