第9話 隠しダンジョン③

「うそ〜!もう、26まで上げちゃったの?」

「1人でネームドモンスターを倒したからな」

「それに僕より、攻撃力より上だし!ズルい〜僕もレベルアップしたい!」

「なら、あの隠しダンジョンに行くか?」

「あの?」

「ああ、二つ目の黄金獅子が埋まっている」


 本来一つ目にゲットできる黄金獅子の装備が封印されている場所。


「あー!黄金のダンジョン」

「そう!」


 経験値もゴールドもめちゃくちゃ稼げる最高の隠しダンジョン。それにリンにはあのアイテムをゲットしてもらいたい。今後、リンのあの最強のルーンを取り戻すための下準備。それまでにあのアイテムの、最低レベル50以上は必要だ。


「なら、すぐに行こう!」

「だな」


俺達は始まりの国から少し離れた森の奥に進む。


「おい、見ろよあの装備」

「次のターゲットはアイツらにするか?」

「鑑定した所あの女はレベル13だ。俺らで対象できる簡単にレベルだ」


 アリス達が森を歩いていると、茂みの中に隠れている連中がいた。


「あの、そこの2人!」

「ん?」


 茂みの中から6人組のプレイヤーが現れる。見た感じ右から剣士が1人、暗殺者が1人、魔術師が1人、司祭が1人、弓師が1人、重剣士が1人のバランスが取れているパーティだった。


「2人だけで狩りをしているのですか?どうです?もし良ければ一緒にやりませんか?ちょうど8人になりますし」

「パーティですか?」


 確かに、このゲームでは最大8人のパーティが作れる。リーダー格の様な男は優しそうな笑顔を向けている。


「いきなり喋りかけてすみません。この森で他のプレイヤーに会うなんてなかなかなかったので、どうです?この森の中にいるモンスターのレベルも高いですし、みんなで一緒にやった方が効率もいいですし」


 困ったな...あの隠しダンジョンを教えるわけにはいかない。今後の事を考えて初回攻略アイテムは分けるわけにはいかない。


「...」


いや、なんか怪しくないか?

 俺ら2人とも前衛系のはずなのになぜバランスが取れている連中から誘われている?それにこの森で初対面の奴をパーティに誘うなんて命取りだ。慣れているパーティでやった方がやりやすい...考えすぎか?もしかしたら初心者かもしれない。


「誘ってくれたのはありがたいですが。ここは遠慮しときます。それにレベルによります。自分達はレベル13と15なので足を引っ張る可能性があります」

「それなら、ちょうどいいじゃないですか!自分達も平均レベル15なんです」


 装備を見た感じ、確かにレベル10後半って所か?いや、装備はそうだが、持っている武器はレベル20じゃないと装備できないものばかりだ。レベルを隠しているのか?


なるほど、もしかしたらPK集団だな。

 俺らの装備は、どれも初心者にちゃ豪華すぎる。それに釣られたんだろう。


 PKとは、他のプレイヤーを攻撃するプレイヤーのこと。プレイヤーがプレイヤーをキルすると、高い確率で装備しているアイテムをドロップする。


「...」


俺はリンの方を見る。

 もし相手がPK経験があるなら、リンにとって都合のいいプレイヤーになる。リンは装備している黄金獅子から自分からプレイヤーを殺さない。だが、俺たちは今後のクエストを考えて一回はプレイヤーをキルする経験が必要だ。もし、襲ってきたら返り討ちにすればいい。


「それに、今自分達はあるクエストをしていまして、報酬はいいモノばかりです」

「リン、いいか?」

「アリスに合わせる〜」

「なら、パーティを組みましょう」


 幸いパーティを組んでも、俺達の情報を非公開に設定しているから俺のレベルに気付かない。


ーーーーー


パーティの招待が届きました。承認しますか?

YES/NO


ーーーーー


 もし、俺らを利用しているなら、逆に俺らが利用してやるよ。PKをキルした時は確定的に一番高い等級のアイテムを落とすからな。


ーーーーー


承認しました


ーーーーー


「よろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」


 ただのエンジョイ勢なら良い、だがPK集団ならより一層に嬉しい。PK集団であってくれよ。


「それで、クエストって言うのはどう言った内容ですか?」

「あ、そうですね。共有しときます」


ーーーーー


クエスト[山賊退治]

推定レベル17


報酬

・経験値

・50000G


ーーーーー


...うん、PK集団だわ。

 こんなゴミクエストに8人もいらない。よほどの下手じゃない限りレベル15が3人いれば簡単にクリアできる。それに推定レベルと報酬が釣り合っていない。


 こんなゴミクエストに誘ってくるなんて、PK目的かよほどの初心者のどっちかだな。


「5万Gも!すごいクエストですね」

「だろ?日本円にしたら50万円だ」

「わぁ!」


『(ククク、やっぱり良い装備を持った初心者カモだったか。日本円として聞いたらすごいが、このゲームを本気で遊ぶなら5万Gなんぼ少額にすぎない)」


って、考えてるんだろうな。


 相手の思惑をすぐに気づくアリスだった。アリスは初心者のフリをして大袈裟に反応をする。リンはアリスの考えにすぐに気付いたが、嘘が下手なのでボロを出さない様にだんまりしていたのだった。






ーーーーーーー


(アリスのメモ帳)

状態異常の効果

・麻痺はスピードを物凄く下げる

・感電はスピードとスピードと防御力を下げる

・毒は毎秒に一定のダメージを与える

・火傷は物凄く攻撃力を下げる

・凍結はスキルが発動しにくくなる

・出血は受けるダメージが物凄く大きくなる

・腐食は対象のHPを吸収する

・感染は回復ができなくなる


他の状態異常

・気絶は数秒間行動不能になる

・魅力は対象から食らった一定のダメージを跳ね返す

・呪いは対象のバフ系スキルが使えなくなる

・酸化はMPが毎秒に減ってしまう

などと他にも種類が沢山ある



ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

 モチベで執筆スピード変わるので、続きが読みたいと思って下さったら、是非☆☆☆とフォローしてくれると嬉しいです!

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