第49話ー大型犬系イケメン


 四人の方を振り向いてウインクをしたニャル様が扉を開けると、そこには……コックコートを着た黄色の髪と瞳をしたイケメンが、タコを包丁で捌いていたのだ。

 そんなイケメンがこちらに気づいて寄って来ると、ニャル様が紹介を始める。


「この黄色い髪と瞳のイケメンがボクの友達、ハスター。風神であり、穏やかなる羊飼いの神さ。一応ここの住人だから覚えてやってね」


「どうも、オレはハスターっす!皆の食事を担当するんでヨロシクっすよ!ちなみに……ニャル様が選んだ皆とは、これからも仲良くしたいので、気軽にハスさんとでも呼んでくださいっす!!」


 ハスターという名前のイケメンに、四人は気さくで接しやすい人という印象を受けた。

 そんなハスターが四人に微笑むと、四人はそれぞれ挨拶の握手を交わす。


「ハス様、よろしくお願いします」


「ハス様って……わざわざ様を付けてくれて感謝っす!樹くんヨロシクっすよ」


「ハス様よろしく」


「こちらこそヨロシクっす!蒼くん」


「ハス様よろしくね」


「陽葵さんもヨロシクっす」


「よろしくねハス様」


「ヨロシクっす、綾華さん!それじゃあ、テーブルに案内するので、こちらへどうぞ!」


 ハスターはそれぞれと向き合って固い握手をすると、五人をテーブルまで案内した。


「あと少しで出来るっすから、ちょっと待っててね!」


 案内された五人が席に座ると、ハスターはニコリと微笑んだ。

 そんなハスターの言葉に五人が頷くと、ハスターは調理場へと行った。

 それを確認した四人は肺いっぱいに大きく息を吸うと、その空気を全て吐き出す。


「「「「すうううう…………はああああああ」」」」


「俺らファミレスしか行ったことないよ?」


「…………すんごいスプーンとフォークがある」


「僕もテーブルマナーとか自信ないよ……」


「私もある程度しか……」


「まぁまぁ落ち着いてよ。ここには他に人が居ないんだからさ?いつも通り食べれば良いよ。それよりさ?ハスターの奴はどうだった?」


 緊張でどっと疲れた四人がグデェ……としていると、ニャル様がハスターについて聞いてきたので、それぞれが素直に答えた。


「どう?って…………大型犬系イケメン?」


「それ凄く分かるよ。なんていうかさ、結構人懐っこいイメージが沸いたよね」


「そうね、ニャル様とは違う接しやすさがあったかしら」


「ホントだよね……文字通り雲の上の存在が、すっごく身近にあたしは感じた」


 四人が互いの意見に「うんうん」と頷くと、ニャル様は嬉しそうな……それでいて、どこか感慨深そうな笑みを零す。


「そっかぁ……それなら良かったよ」


―――


【テーブル】

 

▶︎テーブルの手前には飾り皿ショープレート

▶︎ショープレートの上にはナプキン

▶︎ショープレートの外側から内側にかけ、前菜・魚・肉用のナイフとフォークがそれぞれ右側と左側

▶︎右側にある前菜用のナイフの右隣にスープ用のスプーン

▶︎左奥にはパン皿と、その上にバターナイフ

▶︎ショープレートの奥から手前にかけ、コーヒー用のスプーンとデザート用のナイフとフォーク

▶︎右奥には水(本当なら赤白のワイン用グラスとシャンパン用グラスもある)


※この回でテーブルマナーを気にすることはないので、テーブルマナーは省略。

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