第41話ー冷静さ


 変わらない三人と分かっているニャル様にホッと安心した蒼は、賭けを締め切ってカードをそれぞれに配り出す。


「ノーモアベット……勝利の女神様は誰に微笑むかな?」


 プレイヤーの一枚目のオープンカードはそれぞれ、ニャル様は♠️のジャック、樹は♦️の八だ。


(マイナスの四)


「悪くないかにゃあ……」


「んー……僕は微妙」

 

 蒼は自分の一枚目を伏せて置くと、プレイヤーに二枚目のカードを配った。

 

「うわ、微妙……」


「ボクのは中々良いね」


 ニャル様の二枚目のカードは♦️の二で、一枚目の♠️のジャックと合わせて合計十二。

 樹の二枚目のカードは♣️の八で、一枚目の♦️の八と合わせて合計十六。


(マイナスの三……)


 頭を悩ませながら爪を噛むニャル様と、スプリットが出来る有利な手が来て喜ぶ樹を視界に入れつつ、蒼は自分の二枚目のカードを伏せて置くと一枚目のカードを表向きにして二枚目のカードの上に重ねた。

 ディーラーである蒼のオープンカードは♥️の三だ。


「ハートの三か……(これでマイナスの二)。さぁニャル様よ、アクションを宣言してくれ」


「……ボクはヒットだ」


 ヒットを宣言したニャル様にカードを一枚追加する。

 そのカードは♠️の七で、♠️のジャックと♦️の二を合計して十九。


チキってもスタンドしてもいいんだぜ?ニャル様」


「言ってくれるよホント…………そこまで言われたらヒットしたいけどね、でもね?ボクは至って、冷静さ。勝ちに行くよスタンド


「ちゃんと冷静ね……」


「あそこまで煽られたらねぇ、あたしならワンチャンヒット運ゲーしてかも……」


 蒼に煽られながらも手を横に振りスタンドを宣言するニャル様の冷静さに、綾華と陽葵はまるで自分達がプレイしているかの様に評価した。

 そんなニャル様に蒼はニヤリとした笑みを零すが、それに気づいたのは樹のみで、その樹はゲーム時特有のヒシヒシとした蒼の恐怖を感じ取り武者震いをする。


「面白くなってきたぜ……」


 そうして、次は樹のアクションへと移った。


―――


♣️2❌  ♣️3  ♣️4  ♣️5 ❌ ♣️6

♣️7 ♣️8❌  ♣️9

♣️10❌ ♣️J ♣️Q ♣️K  ♣️A❌ 

 

♦️2❌ ♦️3 ♦️4 ♦️5 ♦️6

♦️7 ♦️8 ❌ ♦️9 ❌

♦️10 ♦️J ♦️Q❌ ♦️K  ♦️A❌ 

 

♥️2  ♥️3❌ ♥️4❌ ♥️5 ♥️6 ❌

♥️7❌ ♥️8 ♥️9

♥️10❌  ♥️J ♥️Q ♥️K  ♥️A❌ 


♠️2 ♠️3 ♠️4 ♠️5  ♠️6❌

♠️7❌ ♠️8 ♠️9 ❌

♠️10 ♠️J❌ ♠️Q ♠️K  ♠️A❌  

 

※すみません。ガタツキが出てしまいました……


 

【ブラックジャック】

※wiki等サイトからの引用、参照あり


〇ブラックジャックとは?

ブラックジャック:別名21トゥエンティ ワンは、ディーラー(ゲームの進行役)との駆け引きを楽しむ対戦型ゲームであり、シンプルながらも奥が深いゲーム性が人気なカードゲーム。


〇基本ルール

プレイヤーはディーラーよりもカードの合計が21点に近ければ勝利で、賭け金チップ毎に勝利した分の配当を得ることができる。

ただしプレイヤーの「カードの合計が21点」を超えると、その時点で負けて賭けたチップを全部失う。


〇カードの数え方

2……9までの数字はそのまま点数となり、10と絵札の(J:ジャック、Q:クイーン、K:キング)は10点で、A:エースは1点か11点の好きな方を選べる。


〇特別な役

最初に配られた2枚のカードがAと絵札……合計21点が完成していた場合を『ブラックジャック』といい、その時点でプレイヤーの勝ちで、配当は3 to 2の1.5倍。

但し、ディーラー側もブラックジャックだった場合は引き分けとなる。


〇簡単なゲームの流れ

①ゲームスタート。

②チップを賭ける。

③賭け終了。

④ディーラーがカードを2枚ずつ配る(ディーラーのは1枚目を表に、2枚目を裏向きに)。

⑤ディーラーがプレイヤーに対して順番に、カードを追加ヒットするか聞く。

何枚でもヒットできるが、21を超えると失格バストする。

要らなければ手を横に振って、要らないことを示すスタンド

⑥ プレイヤー全員が選択を終えた後、最後にディーラーがカードをめくり、17点以上になるまでカードを引き続けて勝負となる。但し、ディーラーが21点以上になった場合はディーラーの負けとなり、バストせずに残っているプレイヤー全員の勝利。

⑦ ディーラーよりも21点に近いプレイヤーは勝ち、賭け金と同額の配当を得ることができる(つまりは2倍になって返ってくる)。逆にディーラーよりも21点に遠いプレイヤーは負けとなり、賭け金は没収されます。同点の場合は引き分けプッシュとなり、賭け金が返ってくる。


【特殊ルール】


〇ダブリングダウン(ダブル)

▶︎ チップを元々の賭け金オリジナルベットと同額まで上乗せ(最大に2倍に)して賭けることが出来る。ただしカードは1枚しか引けない。


〇スプリッティングペアー(スプリット)

▶︎ 最初の二枚のカードが同数なら、オリジナルベットと同額の賭け金を追加することで、二手に分けて勝負することが出来まる。ただしAのスプリットのときは、追加カードは一枚のみ。スプリットをした後にもスプリットをすることができ、そのことをスプリットアフタースプリットと言う。


〇インシュアランス

▶︎ディーラーの見せ札アップカードがAの時、ディーラーのブラックジャック(初手21)に対して、オリジナルべットの最大半分まで保険をかけることが出来る。ディーラーがブラックジャックだった場合は、オリジナルべットを失って保険金の2倍の配当を得る……つまり-1+0.5×2=0のプラスマイナス0になる。また、ディーラーがブラックジャック以外だった場合は保険金を失い、オリジナルべットで続行出来る。


〇イーブンマネー

▶︎プレイヤーがブラックジャックで、ディーラーのアップカードがAだった場合、プレイヤーはディーラーの二枚目のカードを確認せずに1倍の配当を得る。ちなみに、互いがブラックジャックだった場合は配当がなく、相手がブラックジャックじゃなかった場合は配当が1.5倍になる。

 

〇サレンダー

▶︎降参すること。始めの2枚のカードが配られた時点で、賭け金の半額を放棄し、残りの半額だけを返してもらい勝負を降りることができます。


 

【カウンティング】

 

〇ランニングカウンティング(蒼がやってるやつ)

23456の低い数を➕1

789の中間を➕0

A10JQKの高い数を➖1

として出た数字を数え、累積させるカウント方法。

➖が多い程低い数が出やすくなっている為、十七になるまで引かなければならないディーラーが、21を超えないように小刻みに数字を引きしやすいので有利。


※蒼は忘れないように、重ねたチップの数でカウントを記録していた。


〇トゥルーカウンティング(今回は使わない)

カジノでよく使われるカウント方法。

基本カジノではランニングカウンティングの対策として、複数のデッキ(トランプカードのジョーカーを抜いた52枚のセットを1デッキという)を使う。

そのため、使われているカードのデッキ数をランニングカウントで割った本当のカウントをトゥルーカウントと言うのだ。

式)ランニングカウント➗デッキ数(残っているトランプカード➗52)=トゥルーカウント


※ただ、これらのカウントをしていることがバレると、カジノを出禁にされます。その位に強いです。そして、最近では機械でシャッフルするカジノもあるため、トゥルーカウントが出来ないところもあります。

 

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