第24話ー秘密基地


「すげぇ……」


「ひれぇ……」


 四人が今居る大広間は広く、ざっと見るだけでオシャレなシャンデリアや大きなスクリーン、ふわふわなソファーに木製のテーブルと、様々な物がある。

 

「なんだよあのスクリーン!!もう映画館じゃん樹!!」


「そうだね!映画館じゃ無い所でこんな大きなスクリーンで見れるなんて凄いよ!!」


「陽葵!あのソファー超もふもふじゃないかしら!?」


「ねっ!それにあのシャンデリアもめっちゃオシャレで可愛い!!」


「ふっふっふっ……にゃーはっはっはぁっ!!なぁ、凄いだろ?!やはりロマン!ロマンこそが一番なのだぁ!」


 腰に手を当て我が物顔でドヤるニャル様に、うんうんと頷くと、ニャル様は何か思い出したかの様にハッとした顔で四人に聞いてきた。


「そう言えばさ、君たち疲れてるんだよね?」


「まぁ、疲れてるわね」


「君たちお腹減ってるよね?」


「めーっちゃ、減ってる」


「お風呂とご飯、どっち先が良い?」


 お風呂とご飯どちらが先が良いか?という質問に、お母さんかな?と思いつつ、それぞれ答えていった。


「俺はどっちでも良いかな?早くご飯食べたいけど」


「あたしはお風呂かな?いつも、ご飯食べる前にお風呂入ってるから」


「私もお風呂に入りたいわ」


「じゃあ僕もお風呂で」


「はいよー!お風呂は男女それぞれの大浴場があっちにあるから、付いてきてよ」


「「「「はーい!」」」」


 先頭を歩くニャル様に付いていくと、ちょっと歩いた所に男と女、それぞれの文字が書かれた暖簾のれんがあった。


「ここね。この男って書かれてる方が男湯で、女って書かれてる方が女湯ね」


「あいよ……あっ!そう言えばさ、ニャル様。ニャル様ってどっちなの?性別」


 可愛らしい見た目に可愛らしい中性声のニャル様は、男の子の様にも女の子の様にも見えるのだ。

 それで性別が気になっていた蒼は、男湯と女湯の話題に乗じて切り出したのだ。

 その蒼の質問に対して、それぞれの反応を示す。

 

「それ僕も気になってた」


「普通に女じゃない?」


「私も女だと思うけど?」


「ふーん……もしかしてぇ、ボクと一緒に入りたいのかにゃー?んー?入ってあげても良いけどー?」


「は?いいよ?じゃあ一緒に入ろうか」


「……………………え?」


 蒼はニャル様の手をガシッと掴むと、樹に合図をして男湯へと入る。


「よーし!樹、行こうぜ!」


「ちょっ!まっ!!ジョークだってぇ!!……あ、でも強引なの良いかも……いややっぱ駄目ぇえええ!!」


 涙目ウィンクで陽葵と綾華にSOSサインを送るニャル様に、二人はニコリとした笑顔で突き放す。


「「行ってらっしゃーい」」


「んにゃーーーーー!!!」

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