第17話 透明なマント


大輔、さつき、そしてはじめは、次に試す道具として「透明になるマント」を作ることに決めた。彼らはノートの前に集まり、透明になるマントのデザインを考え始めた。


「透明になるマントか…想像するだけでワクワクするね。」とはじめがノートを見ながら言った。


「そうだね。透明になるってことは、隠れるだけじゃなくて、どんな使い方ができるか考えられるよ。」とさつきが賛同した。


大輔はノートを開き、透明なマントの絵を描き始めた。マントは軽やかな素材で、体にフィットするデザインが施されている。マントの内部には、光を屈折させる仕組みが組み込まれているというアイデアが盛り込まれていた。


「こんな感じでどう?」と大輔が絵を見せると、さつきとはじめはそのデザインに感心した。


「いい感じだね。これならきっと透明になるはずだよ。」とはじめが頷いた。


「じゃあ、早速試してみよう!」とさつきが言い、三人はマントの完成を楽しみにしていた。


大輔がノートに描いたマントが現れると、それは予想以上に美しいもので、軽やかで透明感のある布地が揺れていた。


「うわあ、ほんとうに透明だ!」とさつきが目を輝かせながら言った。


「早速試してみよう!」と大輔が言って、マントを広げてみる。彼はそれを手に取り、まず自分の体にかけてみることにした。


「どうかな…?」とさつきがドキドキしながら見守る。


大輔はマントを身に着けたまま、鏡の前に立つと、自分の姿が完全に消えてしまった。透明になった自分の姿を見て、彼は驚きと興奮の声を上げた。


「すごい、本当に見えない!」と大輔が感心しながら言った。


「よし、次は私も試してみる!」とはじめがマントを取って、自分にかける。


はじめもまた、マントを着けると、彼の姿が完全に消えてしまった。「これ、超楽しい!」と彼は透明になったまま笑い声を上げた。


さつきもマントを試してみることにした。彼女もまたマントを着けると、その姿が完全に透明になり、周囲の風景と一体化するように見えた。


「これ、すごく面白いね!」とさつきが声を出すと、その声だけが不思議に空間に浮かぶようだった。


三人はそれぞれが透明になった姿でお互いを見つけ合いながら、楽しげに過ごした。透明な状態での移動やアクションは、彼らにとって新しい体験だった。


しかし、楽しんでいる最中に一つの問題が発生した。ノートに描いたマントの透明度は完璧だったが、長時間着用していると、体が徐々に疲れてくることに気づいたのだ。


「なんだか、ちょっと疲れてきたかも。」と大輔が言いながら、透明になった体に負担を感じていた。


「私も…少し息苦しく感じる。」とさつきが言う。


「そうだね。長時間着けていると、少し負担がかかるみたい。」とはじめが同意する。


三人は、マントを脱ぎ、一息つくことにした。透明になる力が強力な分、体への負担も大きいことが分かった。


「やっぱり、使いすぎには注意が必要だね。」と大輔が言った。


「うん、適度に使うようにしよう。」とさつきが答える。


「でも、透明になっての移動やアクションは本当に楽しいね。」とはじめが笑顔で言う。


三人は透明なマントの力を使った新しい冒険の可能性に胸を躍らせながら、次回に備えることにした。彼らの友情と創造力は、これからも新しい驚きと楽しさをもたらしてくれるだろう。


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