第116話
「ホーク=エーツ、新しい発見を君に伝えたいんだ」
マリイン=リッジさんが素敵な笑顔でそう語りかけます。ここから修羅場に突入か…
「ここに取り出しましたるは【
謎の不織布風シートの上に、さっきより遥かに多い量のアルファルファが出現した。
「これ、【
ちょっとやそっとで驚かれなくなった代わりに、突き刺さるような皆の視線が痛い。仕方ない率先して食べるとするか。
モグモグモグモグ… 「美味しいですよ。皆さんも確認して下さい。それと、ポニーの前で食べると仲良くなれるんです」 モグモグモグモグ…
「ミーシャ、それは一体いつ頃から食べてたんだ?」
ファイン=ロックさんが心配そうに聞いてくるのでニッコリ微笑みながら答えてあげよう。
「そうですね、ボクは二十年くらい前から食べたりしてました」
まぁそれは前世での経験歴なんだけど嘘はついてないぞ。ちなみに豆苗歴は十五年くらい前からだ。でも、皆の表情は “ 食べる物が乏しい辺境で【
「後、【
「丁度、二束あるので肉野菜炒めにしますね」
記録の為とはいえ、アルファルファを口にするホーク=エーツさんの真摯な態度には頭が下がる。「けっこう美味いな…」とか呟いてるし。
「俺からはこれだけ。後はミーシャね。片手で足りるかな?」
面白がって煽るのは止めて下さい。ラー油、食べラー、醤油、生姜焼き、酢豚、多分片手で済む。春巻きとか唐揚げとかまで含まれたらアウトだけど。でも酢醤油とか天ぷらとかが想定外に記録されそうな気もする。
「申請用紙は足りますか?」
「多分。エールと一緒に届いたから」
「では最初に【細辛茄子】の成分をを油に溶かし込んだ調味料です。暫定的に【
「いきなりパンチの効いたやつが出たな」
「基本と派生。流石はミーシャ、やりおるのう」
ラー油に準備してあった具材を混ぜ込んでゆく。
「混ぜ込む具は好き好きで特に決まりはないです。干し肉や【サモントーヴァ】を細かく割いたものや、挽き肉を炒めたものを混ぜても面白いかと。好みで食べる直前に刻み【
「それで【具入り
「うーん、発音を縮めて【具らー油】かな? もっと縮めて【具らー】? で、何に付けて食べればいいの?」
「今日の料理なら、茹で【
「茹で蛙とか蛇焼きとかに掛けたら良さそうだな。朽木の中にいるプックリ芋虫にも合うんじゃないか?」
次はもう面倒くさいから…というか醤油を使う料理が多すぎるから説明の関係上、醤油を挙げるしかない。ホーク=エーツさん、心臓止めたらごめんなさい。
「皆さん、【粗相豆】ってご存知ですよね?」
「あれか…流石にあれは料理に出来ないだろ」
「
「子供の頃に近所のエルフに粗相液を掛けて泣かせたもんじゃよ」
あー、案の定というか子供が悪戯する
「驚かないで下さい。この【粗相豆】の茶色い液体は、豆で出来た魚醤の仲間です!!」
※%$#〒?¥………………………!!!!!
その時、『関所の集落(仮)』の中の時間が一瞬止まった。
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