第112話
ある程度研磨できて気分もスッキリしたところで手を洗って終了。餃子作りに戻らねば。マリイン=リッジさんに畑の野菜を貰おうと思ったら姿が見えない。どうやら『関所の集落(仮)』の近くに『
マリイン=リッジさんが刈ってきた草を『対物簡易鑑定』してみる。【
【
おおっ、アルファルファ!! アルファルファって
「マリイン=リッジさん、まさかボク達に食べさせませんよね?」
「まさか。育ちすぎてるからね。…って、ミーシャはコレ食べるの?」
「発芽直後のなら食べたことが……アリマ …ス」
ヤバい。前世の知識、ヤバいよヤバいよ!!
「そうか……ふふっ……」
あっ、マリイン=リッジさんが凄くいい笑顔になってる。絶対何か企んでる。
「ちょっと待っててね……」
そう言うと謎のシートを持ってくる。前世で言うところの不織布のキッチンタオルっぽい物だ。
「先ずは【
へー、『汎用魔法』に『発根』ってあるんだ。農業ドワーフならではの取得魔法だなぁ。覚えておいたら便利かもしれない。
みるみるうちに発芽、発根してくる。見た目はとってもスーパーのカイワレ売り場に置いてある商品状態(笑)
「はい、完成。食べてみてよ」
「ワカリマシタ…」
仕方ないので『汎用魔法』
出来たてアルファルファを摘んで口に入れ、軽く咀嚼して飲み込む。うん、多分アルファルファだ。しかも前世の物と比べると何か濃厚で美味しい気がする。
「ミーシャ、それって美味しいの?」
「美味しいですよ」
「ポニーの所に行こう。折角だから一緒に食べてあげてよ」
俺、絶対、遊ばれてる。
束にされた【
「皆のご飯だよ。マリイン=リッジさんが取ってきてくれたんだ。ボクも一緒にコレを食べるね」
そう言うとポニーの脇でアルファルファを食べた。
ポニーの目線が刺さるなぁ………。ドワーフもそれ食べるの? って声が聞こえてきそうな気がする。アルファルファ自体の量は少なかったので俺はあっという間に完食。ポニー達はムシャムシャモグモグと【
そして時々、俺に鼻先を擦り付けてきたり、頬を舐めてきたりもする。
「ミーシャ良かったね。ポニーに気に入られたみたいだよ。特にその赤毛、なかなか懐かないんだよなぁ…」
黒毛のワギュが【
「ヤバいって。ポニーが【
爆笑するマリイン=リッジさん。そうだと言わんばかりに頭を上下するポニー達。そして苦笑いするしかない俺だった。
―――――――――――――
(作者注)
この世界で【紫萌肥し】と表現されているアルファルファですが、『萌』は所謂推しなどに対して使う「萌え〜」ではなく、本来の植物が芽を出す “ 萌える、萌やす ” の方を意味しております。という訳で『モヤシ』にまで繋がっています。
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