第78話
獣人のことをヒト族以外は敬意と愛情を持って “ (種族)の人 ” と呼びかける。猫獣人なら猫の人、犬獣人なら犬の人、
俺、脳内ではまだ “ 獣人 ” 呼びしちゃうなぁ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
しかし、クロネコ飛脚の制服にはやられた。異世界転生した元日本人にだけ分かるメッセージっつーか暗号文だろ、これ。これで虎獣人が『トラ・トラ・トラ』と書かれたシャツを着てたり、『六甲颪に…』的な文言の入ったマントを羽織ってたらどうするよ。
モーリッシュさんには読めてないんだから、こちらの世界のスキルや知識では日本語を翻訳する事が出来ないという事なんだろう。
「ほう、
笑みがこぼれたり真剣な眼差しになったりしながらパイク=ラックさんが依頼書を読んでいる。
「で、請けていただけるのですかに…しょうか?」
あっ、オン/オフ混ざった。
「儂を頼られたのじゃ。請けぬ理由はないじゃろう。材料の【
「ありがとうなのにゃ。いや、ここは正式に。“ 名誉猫人 ” 様、ありがとうございます」
「うむ、では返事を書かねばならぬのう」
お仕事成立か。どんな内容だったんだろう?それより “ 名誉猫人 ” の秘密が知りたい。
「あの、モーリッシュさん、“ 名誉猫人 ” と言うのは一体?」
「パイク=ラック様は【
サンダースと書いてダース三世と読むのか。……なんというか、これ、戦勝パーティーで胴上げされながら川に投げ落とされてしまいそうな名前だよ。
「【
おおー、マジかー!! パイク=ラックさん、マジ英雄!!
でも、その大事な魚醤の材料となる【渓流鰮】を、魚醤の材料から骨酒の材料にしようとしてましたよね(苦笑)
「あー、魚醤で思い出した。兄貴、【サモントーヴァ】を持ってきた」
「でかした、ホーク」
ホーク=エーツさんが包みを取り出す。中身を確認がてらコソッと『対物簡易鑑定』をかける。
【サモントーヴァ】:
あ、ガチで前世の鮭トバだった。
「では
「はいっ、ワタクシ持たせて頂きます」
「
あ、
「出来れば共通獣人語でお願いいたします」
そりゃそうだよなぁ、
そして俺は、見ず知らずの異世界転生者の推定・元日本人のミケヲさんにプレゼントを渡すサプライズを思いついたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます