第50話
俺が職業訓練校に行って技術と生産系スキルを伸ばしたい旨を伝えると皆は両手を上げて喜んでくれた。まぁ、ドワーフだからね、冒険もいいけど穴掘って物作ってナンボだからね。俺としても白い空間で取りこぼしたスキルを回収したいし、この先200歳くらいは生きる予定だから、有用なスキルは幾らでも増やしておきたい。
「スワローの職校宛にミーシャの推薦状を書かないとな。あそこは100歳までは無条件で在学できるから、好きなだけ修業すればよいさ」
「ありがとうございます」
ペコリと頭を下げる。
「ミーシャが入校するなら儂も入校したいのぅ」
パイク=ラックさん、無理言わないで!!
「俺も今からでも再入校するか…。それこそ農業とか調理とかを専攻してだな……」
ちよっと、リンド=バーグさんも何言ってるの!!
「その気になったらジョー=エーツ以外は指導員として赴任出来るな」
「いや、俺も一応、鉱山学と採掘の指導免状は持ってるからな」
そう言えばここにいる六人は昔から住んでる住民ではなくて、関所警備に単身赴任で派遣されてるだけだった。マジな話、本気出したらスワローの職校に指導員枠で付いてこれるのか…。いや、来なくていいけど(苦笑)
「あの、普通はどのくらいから職校に入学するんですか?それこそ髭が生え始めたら行く子もいますか?」
ドワーフは30歳くらいで髭が生え始め、40歳くらいになる頃には髭が生え揃う。髭が生え揃ったら成人扱い。60歳〜100歳ぐらいまでは師匠の元で修業を続け、独立するのはそれ以降な者が大半だったりする。まぁ、「一生修業じゃ!!」な考えの者の方が多いんだけどね。
「そうだな、家業の関係で早い者なら髭が生えるか生えないかの頃から入校する者もいるが、大半は髭が生え揃った頃に入校だな。それまでは居住地にある幼年学校に通ったり親から教わったりして、読み書き算盤とか歴史などの基礎知識を学ぶのが一般的だ。
流石というかなんというか、職人修業に寛容かつ貪欲過ぎるだろドワーフ!!
「という訳で、俺とマリイン=リッジはギリギリ再入校は可能だ」
リンド=バーグさん、
「ミーシャの職校行きが決まったところで、次は誰が養親もしくは庇護保証人になるかの相談なんだが……な。ミーシャ、まだまだ聞きたい事とか隠し事とかが有るんじゃないか?ぶっちゃけ誰がミーシャの身元保証人になるかに関係してくるからな。……と言う訳だから、遠慮しないで何でも話せ」
そう言いながらジョー=エーツさんが威圧の眼差しで迫ってきた………。
髭の付け根がピリピリというかゾワッとするんですけど!!
――――――――――
(誤字修正)
(誤) 選考
(正) 専攻
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