第47話
「ミーシャは保有している全てのスキルを把握しておるかの?」
白い空間でセットアップしてきたスキルは把握している。先日、天の声が告知して増えた事が分かったスキルは何なのかは不明。取り敢えず、少し考え込むフリをする。
「爺ちゃんと辺境の集落で一緒だった時に分かったスキルなら…。その後で増えたかもしれないスキルは分からないです」
そもそも、この世界でどうやってスキルを知るのか知らないんですけど!!俺は転生時に自分で選んだから知ってるだけで、ステータス画面も無ければ増えたスキルも分からないのに、どう誤魔化せばいいんだよ。詰みなの!? 転生者バレするパターンなの!?
「そうか、辺境でもスキルオーブを持ってる
スキルオーブですと!! 鉄板アイテム、使うとスキルが見れます的なものキター!!ここは上手く誤魔化さないと。
「この集落に置いてあるスキルオーブは【二視・簡易】だから、もしユニークスキルを持っていたとしても見れないな。スキルオーブを発動させると使用者にしか見えない石板が現れスキル一覧が表示される。他人に見せたくないスキルの表示をオフにして渡してくれればいい」
「【二視・簡易】?」
二視?二回見るって意味なのか?
「もしかしてミーシャが使った事があるのは【一視・簡易】のスキルだったのか?」
コクコクと頷く。上手く誤魔化せそうな雰囲気です。
「ジョー=エーツ、辺境に移り住んだ老ドワーフが持つなら【一視・簡易】で十分じゃ。二百歳を超えていたならスキルオーブを持っていても、それこそ死ぬまでに一度も使わぬこともある。儂じゃって、ここ五十年は使っておらぬ。使わぬスキルオーブを
「ちなみに、職業に関わる『暗殺』や、『毒物精製』、『隠形』等の 聞こえが悪いだけ のスキルは表示オフに出来るが、犯罪を繰り返した為に生えてくる『殺人』、『窃盗』、『拉致』、『詐欺』、『美人局』なんかのダークスキルはオフに出来ないからな」
やっぱり生き様次第でヤバいスキルも生えちゃうんだな。
「俺が集落の入口でミーシャに『素性鑑定』を掛けただろ。そこで『素性鑑定』に犯罪歴が反応してたらスキルオーブを使わせてたな。ミーシャの場合は犯罪歴が無かったからダークスキルが無いと判断してこの集落に招けたのさ」
普通に趣味のスキル選択をしたから良かったけど、これがダークヒーローというか闇堕ちキャラに憧れてヤバいスキルてんこ盛りで構築してたら……、と思ったら冷や汗が出て来た。これ、転生者だったら(転生直後に犯罪歴無しの)『快楽殺人』スキル持ちの勇者とか作れるじゃん。まぁ作ったところで何度か殺人を繰り返すうちに職業『殺人鬼』が生えるんだろうけどね。
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