<3/3>ドキドキだった一週間

 そうして、朝。


 私が起きるころ、おとなりさんはよく玄関先でこのアパートの住人と井戸端会議を10~20分している。

 何を話しているかは不明でも、話声が聞こえていて、

「まだ私は外に出る時間じゃないから、自由にお話してくれていても迷惑じゃないや」

 と思っていたのです。


 けれど……話し声がしない。


 夜になっても、またイビキが聞こえてこない。


 いや、元々生活感をあまり感じないで生活してきていて、私ばっかりうるさいだろうから申し訳ないなとは……思っていたけれど……。




 日に日に『生きているよね?』が増してくるわけです。


 おとなりさん、玄関をよく開けていたんですけどね、キッチリ閉まっている日々だったんですよ……いや、それが当たり前なんですけどね。


 下着姿で玄関開けているときがあるのも、外に出ているときがあるのも知っていました。

 偶然居合わせてしまって、逆におとなりさんの方が驚いてしまって慌ててドア閉めるときもあって……うん、ごめんなさいっていう申し訳なさでいっぱいでしたけれど。 (見ないフリはしていた)




 そのうち、別の誰かが住んでいたりするのかなぁ……もし、異臭がしたり虫に気づいたりしたら、どこに電話したらいいんだろうなぁ……とか色々と考えつつ、

「いや、おとなりさん……元気なはずさ!」

 とも思いつつ……過ごした一週間でした。


 小説の更新を基本的に手動でしているので、更新のためにちょっと早起きをしたんです。

 そうしたら!

 おとなりさんの部屋から掃除機をかける音が!!!


 よかった!

 本当に生きていた!

 ああ……駆けつけない選択肢が間違っていなくてよかったぁぁあああああ!!!!





 いつかは、多分、おとなりさんの方が先にこの世を去ると思うのです。年齢的にね。


 仕事帰りにおとなりさんがベランダにいて、手を振ってくれた日もあったのですよ……。

 私の癒やしなので、今後も長生きしてほしいなぁと切に願っています。




余談。

これまでの三話は約一ヶ月前に書いたものですが、先日おとなりさんに会いました。


「うるさくないですか?」

と『いつも夜中まで起きてて、すみません……』という気持ちを込めて聞いたら、

「まったく大丈夫!」

って言ってくれました。ジーン…… (感動)。


そんなこんなで、おとなりさんは無事ですし元気です。ほっこり癒やされました。


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