<2/3>ドキドキだった一週間

 目の前では『ほん怖』が流れたまま……となりの壁を見つめる私。


 あれは……人が、倒れた音では……。




 さて、こんな場面に遭遇したら、あなただったらどうしますか?




 となりに『大丈夫ですか?』と行こうか?

 いや、私、部屋着のままだしな……。

 物が落ちただけかも知れないしな……。

 物が落ちただけなら……お米? え、5kg?


 色々と考えている間に時間は過ぎていきます。結果、『今更行ってもな』となり、『人が倒れたわけではない』と思ってそのまま私はゴローさんと五字切しました。ミッション達成。




 夜になり、思い出す怖い話。

 今回に限って『ほん怖』め、5話目に一番怖い話を持ってきたな……チクショウ、何回も思い出すんだけど!

 ……なんて思いつつ。


「怖い話はエンタメとして楽しむ」

 という人の話と、推しのお坊さん配信の話を思い出しつつ乗り切り……思い返したのです。


 昼間の音と、振動を。


 これまで夜の9時にはイビキの聞こえていた、おとなりさんが……やけに静か。

 ……大丈夫、だよね?


 そうして、うっすらと思い出すのは、某SNSで見た悲劇。


 ええ、こちらは本当に……だったというお話でして、その内容が頭を駆け巡りました。

 プラスちょっとした罪悪感。え、本当におとなりで……だったら、私が声をかけていたら、もしかしたら助かったのでは……。


 そうして、今度は某SNSでの『倒れたおとなりさんに気づいて助けられた』という体験談を思い出す。

「いやいや、『助けて』って声を聞いたわけでもないし……」

 でも、音と衝撃は知っている。とても罪悪感。


「おとなりさんはこのアパートの住民たちと交流がある。毎日誰かと必ず交流しているから、何日も誰とも会っていないとなったら、誰かが必ず気づくさ!」

 それに、きっとお米か何かが落ちただけだ……と私は言い聞かせてその晩は寝たのでした。

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