第18話 トライアルストラテジーの女神信仰とマリウポリ攻防戦
スクエニのトライアングルストラテジーは、ウクライナ侵攻という時事ネタを含んだものだと言いましたが、さらにヤバいのは、トライアングルストラテジーの女神信仰が、現実に起こった「マリウポリの攻防戦」とかなり密接にリンクしてるからです。
東方正教圏には、〜ポリ(ポリスの中世ギリシャ語風な言い方かも?)という名前の都市が沢山あって、ギリシャ正教の聖地のアトス山の入口のウラノポリ(ウラノス=天の街。ウラノスはギリシャ神話の神の名前なのだが、普通名詞でもあって、新約聖書の天の国の天はウラノス)や、コンスタンティノープルもポリなどと呼ばれた事もある。クリミア半島にもセヴァストポリという街がありますよね。
それで「マリウポリ」とはどんな意味かと言うと、聖母マリアの都市(カトリックではなく、東方正教会のマリア信仰)なんです。
ウクライナ侵攻が始まってすぐ、トルコのメディアがアゾフ海のマリウポリが激戦地帯になるだろうと報じていたわけですが、恐らくスクエニの後ろ側にいる人達は、マリウポリがそうなるのは戦争前から織り込み済みだとしたら、トライアングルストラテジーの女神信仰の話はかなりヤバい感じになる。
「マリウポリ」の件はロシアの蛮行で印象的なイメージが国際社会にばら撒かれましたからね。
トライアングルストラテジーの「女神信仰」は恐らくカトリックのマリア信仰なのでしょうが、東方正教圏にもマリア信仰はあります。ないのはプロテスタントですが。
トライアングルストラテジーの女神信仰をやってた国はポーランド(とベネズエラとイラン)がモデルの国で、ポーランドは国が分割されるという過去があったので、カトリックの信仰、特にマリア信仰がアイデンティティなのですよね。中東欧の民主化革命もそのアイデンティティがとても関与してるんです。
そう考えると、スクエニの人道(人権)の為に戦えというのは何ともえげつない話なわけで。
それで、話は変わりますが、ケルト人とは誰か?という話題があって、ケルト人というのは古代だとフランスやイギリスにいた人達な話がありますが、実はスラヴ民族だという説もあるんですね。となるならば、カトリックのマリア信仰が実はガリア(ケルト)の女神信仰であると同時に、ポーランドとウクライナのマリア信仰が実は西スラヴ人と東スラヴ人の女神信仰なのか!?と。
私はいわゆるケルトとスラヴ民族は印象かなり違うと思うんですけど、ラ・テーヌ文化などの出土物からケルトっぽい文化は中央アジアと繋がってる話はある。何だか妄想みたいな話ですが。
ポーランドやウクライナやベラルーシの辺りが、東西教会のマリア信仰が混ざる汽水域なのは間違いない。
ゲームクリエイターはこの辺りの東西教会のマリア信仰の混ざる位置の話しにも詳しくて凄いですね。
この話題は森安達也の「東方キリスト教の世界」というかなり濃い専門書に書いてあったわけですが、そこもカバーしてるのか!?
ゲームクリエーターの教養には感動しかありません。
それで、先日佐藤優のネット記事で、これからは西側の対露対策にポーランドが中心となるかも知れないと書いてあった。スクエニのポーランドの偏愛と言い、地動説アニメといい、国際社会の状況をリアルタイムに反映してるわけなんですよねー。
イギリスのEU離脱前までは140万人のポーランド移民がイギリスにいたわけですし、過去のフス派の件でイギリスのウィクリフとチェコのヤン・フスが繋がってた件などを考えると、この地域のイギリス絡みはなかなかきな臭くてホットだなぁと。
国際連盟の原加盟国はポーランド、ルーマニア、チェコスロバキアは入ってたわけですが、反露(反ソ)の盾なんです。ポーランドが反露の盾として復活するのか?
中世のポーランド=リトアニア大公国(スロバキアもその勢力圏に入る)が英米の大陸における橋頭堡なわけですね。ついでにイギリスの仮想敵国のドイツの件もあるから、ドイツ一人勝ちのEUよりも、ポーランドの方がイギリス人は信用してんのかな?
ウクライナ戦争で真っ先に弱体化したのはドイツですが、EU全土には隠れたドイツ企業傘下の企業が沢山あって、ドイツ系企業がEU経済の中核だったわけですが、イギリスにとってドイツはずっと仮想敵国で、日本のイギリス題材のアニメですらドイツはそんな扱いがしっかりと描写されてます。
ゲームクリエーターは国際秩序の再編という「神の計画」のために今日も頑張っておられますね!うん!というのがわかるのでした。
ゲーム好きのための西洋古典(ギリシャ・ローマの古典)と元ネタ解説 まりさろばーとそん @palmonsen
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