第15話 各国との交渉と試練

炎竜帝国での成功を皮切りに、寛人たちは各国を回り、時に交渉で、時に力で、そして時に知恵で同盟を勝ち取っていった。


水晶王国では、魔法の試練を突破。

氷の迷宮で、寛人たちは協力して難関を突破した。


「リリア、右!」

「了解!」


リリアの矢が、氷の壁に刻まれた魔法陣を射抜く。


「ミーナ、頼む!」

「うん、任せて!」


ミーナの魔法の粉が、氷の魔物を封じ込める。


最後は寛人が、"無限の力"で氷の女王の試練をクリアした。


翠風連邦では、壮大な騎馬戦で勝利。

広大な草原を舞台に、寛人たちは騎馬民族との戦いに挑んだ。


「エリザベート、左翼を頼む!」

「承知!」


エリザベートが、軍略で敵の動きを読み切る。


「フレイヤ、祝福を!」

「はい、お任せください」


フレイヤの祝福の魔法が、味方を鼓舞する。


そして寛人が、驚異的なスピードで敵将を撃破。

見事、翠風連邦の心を掴んだ。


岩塊公国では、鉱山での過酷な労働に耐え抜いた。

地下深くでの採掘作業は、想像以上に過酷だった。


「くっ...」

リリアが岩を持ち上げようとして、よろめく。


「大丈夫?」

寛人が支える。


「ありがとう...でも、私も頑張るわ」


ミーナは小さな体で、狭い場所を探索。

エリザベートは効率的な採掘法を提案。

フレイヤは、みんなの疲労を癒す祈りを捧げる。


そして寛人は、"不死身の肉体"で休むことなく作業を続けた。


その姿に、岩塊公国の民たちは感銘を受けたのだった。



最後の難関、闇影同盟。

海洋国家である彼らは、他国との交渉を拒否し続けていた。


「ここが最後の砦ね」

リリアが緊張した面持ちで言う。


闇影同盟の本拠地、影の港に到着した一行。

そこで彼らを待っていたのは——


「ようこそ、エターナリアの皆様」


艶やかな中国風のドレスを着た少女。

黒髪を結い上げ、鋭い眼光を持っている。


「私はシャオメイ。闇影同盟の姫です」


寛人たちは驚きを隠せない。

まさか相手が同年代とは思っていなかったのだ。


「どうかしましたか?」

シャオメイが不敵な笑みを浮かべる。


「いえ...」

寛人は咳払いをして態勢を整える。


「シャオメイ殿下、我々は——」


「大陸統一のために来たのでしょう?」


シャオメイに遮られ、寛人は言葉を失う。


「ふふ、あなた方の活動は全て把握していますわ」

「情報こそが、闇影同盟の力なのです」


シャオメイはくるりと回り、寛人たちに背を向ける。


「で、どうします?戦いますか?それとも...」


一瞬の緊張が走る。

しかし——


「いえ、戦う気はありません」


寛人の言葉に、シャオメイが振り返る。


「ほう?」


「我々の目的は、平和な世界を作ること」

「そのためには、闇影同盟の力が必要不可欠なんです」


寛人は真剣な眼差しでシャオメイを見つめる。


「共に手を取り合い、新しい世界を作りませんか?」


シャオメイは一瞬驚いたような表情を見せ、そして——


「くすくす...面白い」


彼女の瞳に、興味の色が宿る。


「いいでしょう。あなた方の理想、この闇影同盟も乗ってみせましょう」


こうして、ついに全ての大国との同盟が成立。

大陸統一への道が、大きく開かれたのだった。


寛人たちは、影の港の高台から大陸を見渡した。


「ついに...やり遂げたんだね」

リリアが感慨深げに呟く。


「うん!むげんちゃんたち、すごいよ!」

ミーナが嬉しそうに飛び回る。


「これも、皆の力があってこそだ」

寛人が仲間たちに微笑みかける。


「でも、これは始まりに過ぎないわ」

エリザベートが冷静に言う。


「そうですね。これからが本当の挑戦です」

フレイヤが静かに頷く。


「ふふ、楽しみですわ」

シャオメイが不敵な笑みを浮かべる。


寛人は大陸を見つめ、静かに言った。


「ああ、これからだ。俺たちの理想の世界を、必ず作り上げてみせる」


夕日に照らされた大陸が、金色に輝いていた。

それは、新たな時代の幕開けを告げているかのようだった。


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