東京 根津

 ◇◇◇朗読部門 優秀賞◇◇◇

 文京区 根津にて


『お化け階段奇譚』

 著者=暇崎ルア

 ◇◇◇


 ☆☆☆講評☆☆☆

 一見どの地域にもありそうな話ではありますが、暑い夏の日、無邪気な少女とのほのぼのとした遊びの光景が、恐ろしいものへと変わっていく過程が、表現豊かな描写で描かれていました。日本神話とのつながりを見出した考察も興味深く、夏の蝉の鳴き声、階段を踏む音、少女の声の変化等、その場で音声で聴くと、物語に引き込まれてしまう独特な没入感がありました。☆☆☆





 この講評さんの言い方よね!


 講評さんの脳内では、この時すでに音声化は完成していて、現地で再生して聴いちゃってたんだろーなー。


 その前のめり感に、共感(笑)







 ってなわけで。

 SARF『お化け階段奇譚』、聴いてまいりました。



 とっても楽しかったですU^ェ^U



 原作そのまま。



 なんだけど、人の声で聴くと印象が変わるね!


 そして。

 物語の舞台で聴くとやっぱり、おお! ってなります。

 なんていうのかな。場所の持つ空気感と物語が合っているなあ、って感じました。どこがどうとは言えないけれど、しっくりくる。

 こういう感覚ってふしぎー。



 そして、そして。

 人の声で聴いてみて、いまさらながら気がついた。

 この話、意外とアダルトな物語であったね?


 少女の顔で、女の声で、「あたしの夫になって」とか言われちゃったしまいには。

 わおーん!

 なんか、わし、良くない性癖に目覚めてしまいそうで怖いf(^ー^;ですぅ。

 どっきどきー(笑)



 ドキドキしちゃう、これはしかし私のせいばかりではないと思うのだ。

 だって声優さんの声が可愛いのだ。

「怖い」の向こうの「可愛い」は、やっぱエロスとちゃいますか?



 もしくは、これはエンタメの要素をシッカリ盛ってきたとみるべきだろう。


 おそるべし、SARF!!(笑)






 現地に行って思ったことは他にもありましたよ。


 想像してたより、階段のサイズが小さいんだよね。

 つまり。

「かなみちゃん、あと6段の、そこに立ってるんでしょ? うわ、やば! 近!!」

 って(笑)


 どっきどきー。



 根津のお化け階段、普段私が使っている階段より段差が低いのですよ。

 だから数えると段数が違う現象が発生するのだけれど。

 低いってことは、6段差があっても。

 マジか!!(゜ロ゜ノ)ノってくらい近いのよぉー!!




 こういうのが、現地で作品に触れる面白さってヤツですよね!





 なおかつ。

 根津まで出かけた、あの日はたいへんに暑かった。

 あやうく熱中症になった主人公(いや、あれは熱中症じゃなかったかも?の熱発だけど)の追体験をしてしまうところ。

 もちろん、帽子用の保冷材を仕込んで、首に扇風機ぶら下げる完全防備態勢! で行ったけど。

 階段の途中、日陰に陣取って、桃の果汁が上から降ってくるのは思わず待ってしまったよね(笑)

 水じゃ足りなーい。

 神様飲料ネク○ー、ぷりーず!



 そうそう。

 帰りに根津神社に寄って、「SARFの肝だめしができあがりました、ありがとうございます」って報告もしてきました。


 鷗外ゆかりのS坂も散歩できたし。



 楽しいひとときを過ごせました(* ´ ▽ ` *)





 私ね。

 現地に行かないと作品が聴けないの、ずっと不満だったんだけど。

 実際に出かけて体験してみると、それこそがSARFの良さなんだなー、と思えてきました。



 もはやメディアもマスの中に収まってはいられない時代に入ってしまったのだし。

 だったらエンターティメントも、変わらなきゃならないんだよね。で、今までマス化されていたそれをいかに個人的な娯楽にしていくかを考えなきゃならないんだと思う。

 そこにいくと。

 SARFの、物語の舞台に出かけるという体験は、ユーザーだけの物語にもなり得る。


 つまり。


 迷ったかもと不安だったお化け階段までの細い道。階段の前で水道菅工事してたおじちゃまたちの視線。根津神社のお参りやS坂散歩、帰りに食べたアイスクリーム。

 これらは私にとっての『お化け階段奇譚』の一部であり、私だけの物語でもある。

 そういう面白さは外に出かけないと付加されない物語だよね。


 これは、あらゆるものがデジタル化に向かう今だからこそ、アナログの面白さが新鮮だって話なのかもしれないし。

 そうしたら、だったらデジタルとアナログをミックスしちゃえ! ってアプローチが可能なのがSARFかもしれない。

 で、おそらくはユーザー本人が自分のSNSで発信する……ってところまで楽しんでもらって完了する。

 そういうタイプの娯楽のありかたなのかなー。


 ……というようなことをボンヤリ考えました。


 

 だから、SARFの使いかたには、もっと広がりを持たせることができるかもしれないなあ。

 

 なにしろSARFのこの『音声AR肝試し』は「音による新たなエンタメ体験」をうたっているのであります。


 現地に行く必要があるとはいえ、舞台を観に行くのと違って時間の制限がないし、チケット取らなきゃって忙しくする必要もない。

 そういう意味では気楽だし。


 ポテンシャルはあると思うんですよねえ。

 


 そして!

 原作は現地に行かなくても読める!


 そういう住み分けなので。

 東京に出かけるのは難しいって人は、ぜひ読んでみてね。



 とりもなおさず面白いのだ。↓↓↓


『お化け階段奇譚』

 暇崎ルア


 https://kakuyomu.jp/works/16818093073628131635/episodes/16818093073628162750




 やっぱ怖かったなー。

 私、ぜったいにチョキしか出さないぞー。




 と。


 そんなこんなで。


 この『お化け階段奇譚』をもって、今回本稿でご紹介予定だったすべての作品のお話をさせていただきました。パチパチパチ。





 まずは、面識もないのに快く本稿の趣旨にご賛同くださった素晴らしき名店の作者マスターたちに心から感謝を申し上げます(* ´ ▽ ` *)



 そしてなにより、ここまでおつき合いくださった貴方にスペシャルサンクス( ゚∀゚)人(゚∀゚ )感謝多謝!






 さて。

 いよいよまとめの最終話。

 その前に。



 次回、オマケで拙作の紹介をしてみようかしらーと思っております。


 別にいらないかなーと思って、書く気もなかったんですが。

 入賞しているからには私の書いた作品もひとつの「正解」であるはずなのです。


「第二回 SARF×カクヨム 短編こわ~い話コンテスト」に応募する貴方の参考になれば嬉しいなあと思うのだ。




 おうよ、俺を踏み越えて先に行けぇーい!!




 ってなわけで。次回の更新予定は8月31日22時でーす。

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