第38話 ことりと美也の戦い
二階のホールではことりと美也が二体の魔女と奮闘していた。
「ちょこまかとすばしっこいガキだルン」
鎖鎌を投げつける魔女は跳躍とバク転で避けていくことりに向かって長い舌を伸ばす。
中央のホールでは美也と槍の魔女が戦っていた。
「ひひひひ! 何度槍をへし折ろうが炎で出来たおれの体は砕けないぜ!」
美也の召喚獣は繰り出された槍を剛腕でへし折るが、振るった拳は魔女の炎で出来た体をすり抜けていく。
「足止めされているようで気分が悪いですね!」
「確かユナちゃんの大切なセツナを繋ぎ止めているのは七体の魔女って言っていたわよね!」
「つまり全員倒さなければセツナさんは助けられません!」
にやにやと笑う魔女二体は足止めの役目だけを果たせればいいと言うように、のらりくらりと攻撃を避けている。
「いひひ、『ガフの部屋』さえ手に入ればお前たちなど一瞬で地獄に直行だルン」
「おれたちはその時までお前らを踊らせておけばいいだけだぜ!」
額に青筋を浮かばせた美也は髪をかき上げて微笑みを浮かべた。
「あら、わたくしたちがお友達に殺人なんていう罪を背負わせると思っておりますの?」
ズダダダンッ!! 苛立つライフルの弾丸が鎖鎌を弾いた。
「美也の友達はあたしのベストフレンドよ! ユナちゃんの純粋な白い手を汚させはしないわ!」
ことりの召喚獣、棺の中の顔が目玉を光らせると、ライフルにガチャリと重たい音が響き、魔法弾が装填された。
美也の召喚獣は剛腕で床を叩きつける。ひび割れた床の網目を縫うように魔方陣が描かれていく。
「魔法弾を使ったところで当たらなきゃ意味ないルン」
「あーらそう? 目が悪くても絨毯爆撃を降り注ぐマップギフトは存在するのよ」
気が付けば鎖鎌の魔女を取り囲む形で魔方陣が左右前後、上下にも展開されていた。
「あっははは! どこ狙っているのさ!」
「地に足のつかない方はお足もとが良く見えていないようですわね」
地割れに沿うように展開された魔方陣は槍の魔女の足元から石が這い上がり纏わりつくように槍の魔女の体を石化させていく。
「ひぃ! ちょ、待つルン!!」
「か、体が動かねぇ!!」
友人を殺戮の道具に使おうとするような魔女に待つ二人ではなかった。
ことりと美也の二人の右手にも友達の紋章が光り輝く。
「猛りませ! ノダヂカ!!」
「浴びせよ! ロンロン!!」
美也の召喚獣が硬化した槍の魔女の体に剛腕を振るう。
ことりの召喚獣は爆裂散弾銃を雨嵐と鎖鎌の魔女の上に降らせた。
☆☆☆
女子たちの尊い友情はコスモに届く☆
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