第16話 新生活と突起

「よし、シディ。もう遅いからフューと風呂

 入っちまえ。」

「うんー、わかったー...」

風呂!?俺は思わずデアルの方を振り返った。

俺がフューと風呂に入る...?

いいのか?...女の子だぞ?でも、まだ7歳だし...

でも男女の仲ではある... 家族だと思えば...

俺がそんなことを考えているとデアルは

俺に笑みを向けた。奴が「行け。」と心の中で

言っていると俺にははっきりとわかった。

いいんだな!!!



さっきは動揺してしまったが風呂場に来ると

少し頭も冷え、冷静になった。

だが、困ったことにおそらくこの体の

せいだろう年相応な異性というものに魅力を

感じてしまっているようなのだ。

そのため本来ロリっ子適性のない俺が

フューに異様に魅力を感じてしまっている。

ちなみにフューが、ハーフエルフだから

興奮しているのでは決してない。断じてない。

天地がひっくり返ろうとそんな気持ちは

一切ない。神に誓って約束しよう。

とまぁ、少し話は逸れたが俺がフューに

欲情してしまうのは致し方ない問題ではある。

だが、フューは今日から家族だ。

そんな気持ちは一切あってはいけない。

俺は、子供が泣かない世界を作るとデアルに

誓ったのだ。これはその第一歩だ。

フューを家族として温かく迎え入れること

それが俺の今するべきことだ。

俺は虚な目をしたフューに向き合った。

「じゃあ風呂入ろっか。」

あくまで冷静に普通の家族のように。

「うん...。」

フューの返事は相変わらず暗かった。

だが俺は気にせず服を脱いだ、

その後下着も脱ぎ、裸になった。

俺が裸になるとフューも服を脱ぎ始めた。

フューはズボンに手をかけスリスリと

ずらすように降ろした。

!?!?

フューはズボンの下に

下着をつけていなかった。

だが、俺が驚いたのはそこではない。

フューの股には確かな突起があった。

俺の股にも同じように存在する小さな小さな

突起が。



「おい親父!!!」

俺は走り出していた。

風呂場に裸のフューを置いて。

自身が裸であることも気にせずリビングにいる

父の元へと向かった。

「おう、どうしたシディ。親父呼びなんて

ずいぶん成長したな、父さん嬉しいぞ。」

などと焦り顔の俺に対し白々しい態度をとる

デアル。それに対して

「なんっでフューにちんこがついてんだよ!」

俺は思わず大声を出した。

大声を出した俺とは対照的にデアルは

冷静だった。

「なんでも何もフューは男の子だからな。

 お前やっぱり気づいてなかったか。」

俺はデアルの言っていることが

理解できなかった。

「え、でも父さんだって女の子って言ってた

 じゃないか。」

俺が動揺を隠せないでいると

「そりゃ、あの美形だからな最初は俺も

女の子かと思ったけどよ

一回担いでみたら分かったぜありゃ男だ。」

骨格でわかったぜ。

と得意げにデアルは言った。

俺が昨日からずっと美少女だと思っていた子は美少年だった。彼女ではなく彼であったのだ。

「まじかよぉ...。」

俺は崩れるように床に膝をついた。

この時の俺の感情については俺の今後もとい、

フューとの良好な関係のため

語らないでおこう。


ちなみに母シフィリアはというと、

「お父さんから手紙で聞いてたけど

 美形の子ね!!

 可愛い息子が2人になって嬉しいわぁ。」

と言っていた。

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