第21話
鍛錬をして、模擬戦をして、森の中に住む動植物について、現れる可能性のある魔物達
それらへの対抗手段
学べるだけ学んで俺たちは森に出る
結論から言おう何もなかった
そう何もなかった
動物が出ることも魔物が出ることもなかった
みんなの実力が高くなって森の動物程度では襲いかかって来ることもなかった
見かけた動物は脱兎のごとく逃げ出して行った
こういう事は稀に起きるらしいのだが
それでも一匹も近づいて来なかったのは本当に珍しく
みんな真面目に鍛錬をしていたのだなと大人たちから褒められた
そうこの時はそう思っていたのだ
まだ実戦経験を積むのは先になると
それは突然訪れた、森に行ったすぐ翌日
森かは動物たちが村にめがけて群れで突撃してきたのだ
森で異常な事が起きたのだ
俺たちが村に入った事で何かが変わった
そうして警戒していた森の探索では何も起きなかった代わりと言うように
村の存亡をかけた防衛戦が開幕する
「おいっ、まずいぞ森の動物が群れになって村に突っ込んでくる」
父さんの仕事の仲間の人が村に戻ってくるなり大声で叫ぶ
「とっとりあえず、戦えないものは森とは正反対の家に集まるんだ
戦える者は森の前に防衛戦を築くぞ、急げっ」
それを聞いた父さんが指示を出す
村の中一番の戦闘能力を持ち冒険者としての経験のある父さんの言葉で村人達が動き出す
戦えない者とは老人や女、薬学や医学など替えのない技能を習得している者ことを指すので俺たち子供も戦闘に参加する
森の動物は群れになっても村ぐるみで対応すれば問題はない
だが森の動物が一斉に森から抜け出すような何かが村に向かってきている、それが問題だ
十中八九ら何処からやってきた魔物だろう
魔物は動物とは天と地ほどの差がある
地球でのカバやらゾウに匹敵する動物がそこらにいるのがこの世界だが
それに負けず劣らず人間もぶっ壊れている
そんな存在達が下手したら一方的に殺される
それが魔物、この世界に来て魔物について学んでからより一層魔物が脅威を感じでいたが
この時はまだ会った事がない魔物に出会えることにほんの少しの期待があった
この時はまだ
異世界で冒険を @tainosioyakki
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