第62話 リアム、誓う

 ────予定通りに、メリアさんとシルヴィアさんが、国交樹立の件やゼインさんの件でを手紙に記して、お二人がその手紙をエルフの国に送った……数日後。

 エルフの国から詳細な話をしたいと返事が返って来たため、僕たち四人はエルフの国と魔族の国の国交樹立を正式なものとするべくエルフの国へ向かった。

 魔族の国と国交樹立をするという、今までに無い異例の事態に反対意見もあったようだけど、メリアさんの発言力や、魔族の人たちはシルヴィアさんには従順だというシルヴィアさんの言葉を証明するかのように溢れているシルヴィアさんの威厳。

 それだけでもほとんど決まりそうだったけど、加えていつしか僕が転移魔法陣を直した時に恩を返すと言ってくれた、メガネをかけたエルフの男性も協力してくれて、その人も発言力のある人だったため、僕たちがエルフの国に着いてから一日もしない間にエルフの国と魔族の国は国交を樹立することができた。

 そして、四人でエルフの国の中央都市、マギアトスにある、族長さんたちが使うような建物の一室に入らせてもらうと、メリアさんが大きな声で言った。


「やっと終わった〜!これで晴れて、エルフの国と魔族の国で国交樹立だね〜!」

「あぁ……そろそろ他国とも関わっていかねばならないと思いながらも、その方法も無く考えものだったが、こうしてエルフの国と国交を樹立することができ、それを支えてくれた君たちには本当に感謝している」


 初めて会った時からは想像もできないほど優しく、穏やかな雰囲気でシルヴィアさんがそう言うと、リディアさんやメリアさんも優しい表情になった。

 そして、温かい時間が流れると、メリアさんが言う。


「でも、これからどうしよっか〜?リアムくんの旅の目的って、話も聞いてもらえずに追放されたから、強くなってもう一度あいつらと話だけでもしたいっていうのだったんでしょ?」

「はい」

「だったら、そもそもリアムくんは元々強いし、あいつらと話す必要なんてもう無いし、旅の目的が無くなっちゃったってことだよね?」

「確かに、旅の目的は無くなってしまったかもしれません……ですけど────僕は、三人と一緒に居られるなら、目的や、場所や、時間だってどこでもいつでも構いません」


 僕がそう伝えると、三人は大きく目を見開いた。

 そして、リディアさんが嬉しそうに微笑んで言う。


「そうですね……私も、リアムさんのお傍に居られるのであれば、そのようなものがどうであったとしても構いません」


 続けて、メリアさんが楽しそうな表情で明るく言う。


「そうだね〜!大体、リアムくんと行きたい場所なんてたくさんあるから、まだまだ楽しみなことだらけでいっぱいだよ!」


 そのメリアさんの言葉に頷いて、シルヴィアさんが言う。


「あぁ……それに、目的だって、無ければいくらでも作ればいい……強くなることに限界などないのだから、また力を蓄えるために旅をするというのも悪く無いだろう」

「リディアさん、メリアさん、シルヴィアさん……!」


 僕が三人の言葉を聞いて嬉しくなって、三人の名前を呼ぶ。

 そして、それからは、三人で今後どうするかや、どこに行きたいかなど、今後の楽しいことについてたくさん話し合った。

 三人と楽しいことを話しているうちに、僕は三人のことが大好きな気持ちが溢れてきて、話にひと段落がついたタイミングで、僕はこの言葉を口にした。


「────リディアさん、メリアさん、シルヴィアさん……愛しています」


 そう伝えると三人は頬を赤く染めて、僕のことを優しく抱きしめてくれて言った。


「────私も愛しています、リアムさん」

「────私も愛してるよ、リアムくん」

「────私も愛している、リアム」


 これからは────何があっても、大好きな三人とずっと一緒に居よう。

 そして……何があっても────僕が絶対に三人のことを幸せにするということを、僕自身が三人に抱いている愛情と、三人が僕に抱いてくれている愛情に、強く誓った。



 この物語は、この話を持って完結となります!

 ちょうど二ヶ月間の連載となりましたが、この二ヶ月の間、追放された無自覚最強少年は、Sランク美少女冒険者たちを救いやがて無自覚にハーレムに至る、という物語をこの最終話まで読んでいただき、たくさんのいいねや☆、作品フォローや応援コメントなどで応援してくださり本当にありがとうございました!

 作者がこの物語に抱いている気持ちなどは、次エピソードの『あとがき』にて語らせて頂こうと思いますので、ご興味のある方はそちらの方を続けてお読みいただけると幸いです!

 またあとがきや、別の物語でお会いできることを楽しみにしています!

 この物語を最後まで応援していただき、本当にありがとうございました!

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