追放された無自覚最強少年は、Sランク美少女冒険者たちを救いやがて無自覚にハーレムに至る
神月
第1話 リアム、追放される
「リアム……お前のことをこのパーティーから追放させてもらう」
「えっ……!?」
冒険者ギルドの建物内にて、僕は去年の15歳から現在の16歳に至るまでの間、ずっと属していたパーティーのリーダー、ゼインさんからそう告げられてとても衝撃を受けた。
「つ、追放って、どうしてですか?やっぱり、僕なんかがこのAランクパーティーに居たら迷惑だからですか?」
「あぁ、お前の力不足だ、わかったら消えてくれ」
「待ってください、具体的に────」
「いいから消えろって言ってんだろ!!」
そう言って、ゼインさんは手に炎を込めた拳で僕のことを殴ろうとしてきた……けど、僕はそれを軽く受け止めて言う。
「今もこうして怒っているのに、こんなにも優しい力と魔力で僕に攻撃をしようとしてくれてるゼインさんが優しい人だってことは僕も十分わかってるんです、だからちゃんと話をさせてください!」
「ぐっ!相変わらず目障りな……そうだ、今のは手を抜いてやったんだ、これでも喰らって大人しく消えてろ!!」
そう言うと、ゼインさんは剣に魔力を込めて僕に向けて振り翳してきた────けど、僕はそれを避けて確信を覚えながら言う。
「怒りながらもこんなにゆっくり剣を振って僕に攻撃してくるゼインさんは、やっぱり────」
「うるせえ!いいから消えろっつってんだろ!!」
そう言いながら、ゼインさんは何度も連続で僕に剣を振ってきたため、僕は少なくとも今は会話が難しいと判断して言う。
「わかりました、僕の力量不足ということなら受け入れます……けど、修行して強くなったなら、もう一度お話をさせてください!それだけです、失礼します!!」
ゼインさんを含む三人に向けてそう言うと、僕は冒険者ギルドを後にした。
◆◇◆
リアムの去った冒険者ギルド内に居るリアムの元パーティーメンバーたちは、その背中を見届けて話し合う。
「クソッ……あいつ、最後まで鼻に付く野郎だったぜ」
このパーティーのリーダーであるゼインがそう言うと、残りの男性、女性一名もそれに対して頷いて言う。
「本当そう、ちょっと強いからって調子に乗っちゃってさ」
「な〜」
残りの二人がそう言うと、ゼインが頷いて言う。
「強いのは認めるが間抜けなことは間違いない、何せほとんど一人でモンスター討伐してるのにそれを俺たちのおかげだと勘違いして、クエスト報酬もほとんど俺たちに渡してたんだから、おかげで俺たちは今後しばらく金には困らない」
Aランクパーティーのクエストには、時々Sランク冒険者一人相当、もしくは相性によってはやっとの思いで倒せるというほどの難易度のものがある。
Sランク冒険者は人格に癖のある人物が多く、基本的にはパーティーではなくソロで活動を行っている……そのため、連携しなければ倒すことが難しい相手の場合などは、Sランク冒険者よりも個の力が劣っているAランクパーティーにそういったクエストが回ってくることもある。
────が、リアムは本来Sランク冒険者が倒すモンスターを息も切らさずに倒す。
通常であれば、そのことに対して自らの自信を増やしていくものだが、リアムの場合は「皆さんの強化魔法、本当にすごいですね!」や「たまたま相性が良かったみたいです!」などという方向の思考となっており、自らが強いとは微塵も考えていない。
当然だが、仮にAランクの冒険者が強化魔法や相性の差で有利な点があったとしても、だからと言ってSランク相当のクエストを一人で息も切らさずにこなすことなどはほとんど不可能であり、それを何度も行っているリアムは間違いなく異常なほどの力を持っていると言える。
そのリアムの力と性格を利用して、ゼインたち3人はほとんど何もせずにクエスト報酬の大半を得ていた。
「目標額に達するまであのバカで間抜けな奴と一緒に居ないと行けなかったのは面倒だったが、終わってみれば金だけが俺たちの元に残った、最後まで使いやすい奴だったな……最後に一発殴ってやりたかったが、金だけで勘弁してやるか」
「あいつ、俺たちに恨み持ってなんかしてきたりしねえかな?」
「あのバカにそんな考えが生まれるわけねえだろ?それより、俺たちは予定通りある程度名も売れたから、適当にクエストをこなして印象を良くしつつ邪魔も居なくなったから今ある金で豪遊して暮らしていくだけだ」
「賛成〜」
その後、三人は高笑いしながら冒険者ギルドを出ると、酒場へと向かった。
◆◇◆
冒険者ギルドから出て、ひとまず自らの力不足を再認識した僕は、基礎的な修行をすることに決めて、冒険者ギルドのある街から少し離れた場所にある洞窟にやって来た。
「確か、
洞窟に入った僕は、ひとまず魔力探知で付近の魔力の反応を探知した────すると、そこからドラゴンと一人の人が戦っている反応を感じた。
「ドラゴンの方も人の方も弱ってるみたいだけど、このままだとこの人の方がやられちゃう……僕なんかで力になれるかわからないけど、ここで見殺しになんてできない!」
【風雷移動】
僕は、風魔法と雷魔法の応用でそのドラゴンの居る場所まで高速で向かった。
すると────そこでは、金髪で凛々しい顔立ちをした長身の女の人が、ドラゴンと対峙して剣を構え息を切らしていた。
おそらく、元々機動性を重視する戦い方の人なのか、装備がかなり軽装備だった。
他のモンスターならともかく、ドラゴンの攻撃を一発でも受けたら致命傷になりかねない……その機動性によってかなり攻撃を躱しているようだけど、それでもドラゴンの攻撃を全て避けるためにもうかなり体力を使っているはずだし、その証拠に魔力の反応も微弱だ。
「こんな場所で、終わるわけには……っ!?あなた!そこで何をしているのですか!?」
金髪の女の人が僕がこの場に居ることに気がついたらしく、この洞窟に響く声で声を掛けてきた。
「す、すみません!修行に来ていたら、困っていそうだったので、できることがあるかわかりませんが手助けに来ました!」
「っ!私は誇り高きアストリア家の騎士であると同時に、Sランク冒険者のリディア・アストリアです!私に手助けなど不要です!修行などという半端な気持ちでこの場に居るのなら、今すぐ下がりなさい!!」
「Sランク冒険者さん……!?で、でも、僕だって半端な気持ちなんかでは────っ!」
僕たちがそんな話をしている間に、ドラゴンがリディアさんに向けて火を放とうとしていた……リディアさんも僕より少し遅れて気付いたみたいだけど、僕の方に意識が向いていたから防御行動に間に合わない。
「リディアさん!」
僕は、【風雷移動】を使ってリディアさんの前に出ると────代わりに、その火を受け止める。
「っ!な、何をしているのですか!?あのドラゴンの炎は、私でも直撃すればただでは────っ!?」
リディアさんは、僕の姿を見て驚いた表情をすると続けて言った。
「無傷……!?どうして無傷なのですか!?」
「このドラゴンの魔力では僕に傷が入らないことは、このドラゴンの魔力量からわかっていました……リディアさんが事前に弱らせていてくれたおかげです!」
「弱っていたとしても、あのドラゴンの攻撃を無傷で受けることなど────」
僕は、リディアさんの話を後で聞くことにして、ひとまず今僕たちが話している間に炎を溜めたことによって、逆にその反動で隙が生まれているドラゴンに近づくと────【氷覆】によってそのドラゴンのことを凍らせた。
「あ、あなたは、一体……何者なのですか?」
目を見開いてそう聞いてくるリディアさんに、僕は自己紹介することにした。
「僕はつい先ほどAランクパーティーから追放された、リアムと言います!」
「リアムさん、というのですね……」
「はい!いつかリディアさんのような立派なSランク冒険者の方々のようになれるように、精一杯頑張ります!!」
「つ、追放されたのですか!?Aランクのパーティから、リアムさんがですか!?」
リディアさんは何故かそのことにとても驚いた反応を示したため、僕とリディアさんは洞窟の外に向けて歩きながら話をすることにした。
◇
甘々で激重な大物美少女たちが、俺を養いたいと言いながら過激に迫ってくる件────という最新作を公開させていただきました!
ご興味をお持ちいただけた方は、そちらの物語も併せてお読みいただけると幸いです!
↓作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16818093089472865717/episodes/16818093089472888773
◇
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