オリンピック期間限定で復活! 時事ネタぶった斬りカクヨム漫才!

鷹司

第1話 パリオリンピック開幕!

「どーも、みなさん、お久しぶりです! カタリィ・ノヴェルです! ぼくのことは気軽にカタリと読んで――いや、呼んでくださいね!」


「どーも、みなさん、お久しぶりです! リンドバーグです! わたしのことは可愛らしくバーグちゃんと呼んでね!」


「せーの、二人あわせて『カクヨム』です!」

「せーの、二人あわせて『カクヨム』です!」


「バーグちゃん、遂にパリオリンピックが始まったね!」


「そうだね! 東京オリンピックがコロナ渦で大変だっただけに、パリオリンピックにはいろいろと期待しちゃうよね!」


「今回のパリオリンピックは初めてなことが多いんだけど、初日に行われる開会式からしてスゴイことになっているんだよ!」


「うん、だって、開会式の会場がセーヌ川なんだからね! 開会式が競技場以外で実施されるのは、夏季オリンピックでは初めてのことなんだよね! 今からどんな内容の開会式になるのかワクワクしちゃう!」


「でも選手の中には、不安に感じている人もいるみたいだよ」


「えっ、カタリくん、どういうことなの?」


「水泳競技の選手はいいけど、泳ぐのが得意じゃない選手はセーヌ川で溺れたらどうしようって不安らしいよ!」


「セーヌ川で開会式をやるからといっても、選手が泳いで入場するわけじゃないからね!」


「実は、一番不安に思っているのが聖火ランナーみたいだよ! セーヌ川の水に濡れて、聖火が消えたりしないか不安なんだって!」


「聖火ランナーもセーヌ川を泳いで入場してくるわけじゃないから!」


「そうだよね。泳いで入場したら、聖火ランナーが聖火スイマーになっちゃうもんね!」


「別にそういう意味で言ったわけないじゃないからね!」


「でも、聖火が消えたらきっと大問題になっちゃうよね! それで、火は消えたのにネットでは炎上するっていう皮肉な事態になったりしてね!」


「そういうくだらないことは言わなくてもいいから!」


「開会式といえば、今回はファッションの国フランスならではの、オシャレな演出に期待したいよね!」


「うん、そうだね」


「ぼくの予想では、きっと開会式の始まりはパリの『P』の文字にちなんで、男性二人組が『ピー、ピッピッ、ピーピッピッピー』って大声を上げながら入場してくるシーンで始まると思うよ!」


「それTT兄弟でしょうが! たしかにアメリカのテレビオーディション番組で人気になったけど、さすがにパリオリンピックの開会式には呼ばれていないでしょ!」


「今回のオリンピックの初めてなことはまだあって、新競技の『ブレイキン』が始まることもそうなんだよね!」


「まさかダンスが競技になるなんてビックリだよね!」


「この『ブレイキン』では選手が本名じゃなくて『ダンサーネーム』で出場するのも新しいよね!」


「まあ、今風といえば、今風だけどね」


「この競技で金メダルを期待されている日本の半井重幸選手も『シゲキックス』というダンサーネームで出場するんだよね!」


「うん、とってもカッコイイ、ダンサーネームだよね!」


「でもダンサーネームがごっちゃになると困るよね。例えば『シゲッキクスとアレックスとフェニックスとブルックスの勝負です!』とかなると、誰が誰だか分からなくなっちゃうからね!」


「ダンサーネームの語尾に『ックス』を付ける決まりはないから!」


「きっと試合の実況をする方も大変だよね! 『アレックスの表情はリラックス、演奏はサックス、技はアクロバティックス!』とかね!」


「だから『ックス』で韻を踏む必要はまったくないの!」


「もしかしたら選手の中には目立とうとして、ウケ狙いで『セックス』とかいう名前を付ける人が出てくるかもしれないよね!」


「そんな名前じゃ、テレビ放送が出来ないでしょうが! 実況している最中に何度も『ピー音』が入っちゃうから!」


「今回のオリンピックでダンサーネームが流行ると、芸能界にも波及するかもしれないよね!」


「その可能性もあるかもしれないけど」


「ネゴシックスとかいう芸人が出てきたりして!」


「その芸人さんは元からその名前なの!」


「他にもマツコデラックスとかね!」


「その人も、元からその名前で活躍しているから! ていうか、もう一度言うけど、『ックス』で韻を踏む必要はないから!」


「名前といえば、日本チームには競技によって、それぞれ愛称が付いているんだよね!」


「女子サッカーの『なでしこジャパン』なんて有名だね!」


「えーと、体操女子は『スモーキングジャパン』だったかな?」


「そういうブラックジョークは言わなくてもいいの!」


「あれ? 『アルコールジャパン』だったかな?」


「だから、言わなくていいから! 今ごろ、本人だって大いに反省しているだろうから!」


「でも柔道なんて、少し前までは『ゴジラジャパン』っていう愛称のときがあったんだから、ネーミングセンスって大事だよね!」


「まあ、たしかに中には無理やり付けたような愛称もあるけどね」


「柔道といえば、今回の柔道チームの中にはメダル候補の兄妹がいるんだよね!」


「東京オリンピックでも活躍したあの二人のことね!」


「兄が阿部一二三で、妹が阿部四五六だったかな?」


「妹は阿部詩でしょ! だいたい『一二三』の後だからって、『四五六』って安易過ぎるでしょうが! ていうかそもそも、『四五六』って、どんな読み方するの!」


「兄の一二三さんは話し方がユニークで『えーと、あの、わたしはですね、えーと、まあ小学校の頃からですね、あの、えーと柔道を始めまして』って感じでね!」


「それ、『一二三』違いだから! その話し方をするのは棋士の加藤一二三さんでしょうが!」


「柔道以外でぼくが注目しているのが男子バスケットボールなんだよね! なにせ48年ぶりに自力でオリンピックの出場を決めたんだからね!」


「約半世紀振りってスゴイことだね!」


「選手でいうと、アメリカのプロバスケであるNBAで活躍している八村塁はちむらるいさんに期待をしているんだ! なんといっても、シュートを決めた後にする『ルイルイポーズ』がいいんだよね!」


「それ『ルイ』違いだから! 『ルイルイポーズ』をするのは太川陽介さんでしょ!」


「でも八村選手にはひとつ気懸かりなことがあるんだよね」


「えっ、そんな心配なんかあったかな?」


「他の選手が飛行機でパリに向かったのに、八村選手だけは『ローカル路線バス』を乗り継いでパリに向かったから、体力が消耗していないか心配なんだ!」


「ローカル路線バスの乗り継ぎをやっているのも太川陽介さんでしょうが! ていうか、アメリカからパリまで、どう考えてもローカル路線バスは繋がっていないから!」


「とにかく選手には頑張ってもらって、ぜひメダルを獲得して欲しいよね!」


「うん、それは期待するところだよね!」


「メダルといえば、今回のメダルにはエッフェル塔の鉄製の柱から切り取られた金属が含まれているのが話題になっているよね! それで、メダルを取った選手はメダルさえ持参すれば、エッフェル塔に無料で入場できる特典が付くみたいだよ!」


「特典がセコすぎるでしょ! なんか、それだと逆にメダルの価値が下がってみえるから!」


「メダルといえば表彰式なんかで、メダルを噛むポーズを必ず誰かするよね!」


「まあ、定番中の定番のポーズだからね」


「今回はメダルにエッフェル塔の金属が入っているから、きっと『エッフェル塔ポーズ』が流行ると思うよ!」


「それ政治家がやって大炎上したポーズだから! 日本の選手は絶対にマネしちゃダメなポーズなの!」


「それじゃ、エッフェル塔ポーズはやめて『凱旋門ポーズ』なんかどうかな?」


「パリといえば凱旋門も有名だけど、どうやって凱旋門をポーズで表現するの!」


「今回、そんな選手たちが滞在する選手村の部屋にエアコンがないと話題になっているんだよね!」


「環境に優しい大会の実現へ向けた取り組みの一環みたいだけど、さすがに夏場にエアコンなしは辛いと思うんだけど」


「だから大会の組織委員会は急いで『ジャパネットたかた』にエアコンを注文したみたいだよ!」


「たしかにこの時期、テレビでジャパネットの夏のエアコン祭りのCMをよく見るけど! でも、今から注文しても絶対に間に合わないからね!」


「それから選手村といえば、大会の度に話題になるのが食事だよね!」


「それぞれお国ごとに食事の習慣の違いなんかがあるから、用意する方も大変みたいだね」


「今回はフランスということで、夜は豪華にフランス料理のフルコースで、朝はフランスパンのみっていうことらしいよ!」


「いくらなんでも、それじゃ偏りすぎでしょうが! だいたいフランスパンだけじゃ、本番で力が出ないから!」


「そんなフランスパンが嫌いな人に対して大会組織委員会は『パンが嫌いならばお菓子を食べればいいでしょ』ってコメントを出したんだよね!」


「『パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない』って言ったのは、マリー・アントワネットだから!」


「とにかく、大注目のパリオリンピックなんだけど、バーグちゃんはパリオリンピックの公式キャラクターを知っている?」


「ニュースで見たんだけど、たしか『フリージュ』とかいう、ちょっと変わった見た目のキャラクターだったと思うんだけど」


「バーグちゃん、大正解! そう、『フリージュ』といって、フランスで自由の象徴として知られる『フリジア帽』を元に考えられたキャラクターなんだ!」


「きっとキャラクターグッズとか大人気になるんだろうね」


「それじゃ、バーグちゃん、東京オリンピックのキャラクターは覚えているかな?」


「えっ、そんな急に言われても……。えーと、見た目はなんとなく覚えているんだけど、名前は何だったかなあ?」


「バーグちゃん、東京オリンピックの公式キャラクターはミライトワとソメイティだよ!」


「そうだった! すっかり忘れちゃってた!」


「そうやって人気のなくなったキャラクターは、人々の記憶から忘れ去られていくんだよね。そう、ぼくとバーグちゃんが、カクヨムのイメージキャラクターだったのを、みんなが忘れてしまったみたいにね!」


「そういう悲しいことをは言わないで!」


「でも、カクヨムの編集部さんにも忘れられているみたいだし……」


「それは絶対に言っちゃダメなやつだから!」


「さあ、今日もしっかりオチがついたので、このへんで漫才を終わりにしたいと思います」


「えーっ! こんなオチで終わりなの? 久しぶりの登場なんだよ!」


「それじゃ、みなさん、暑さに気をつけて、お体をご自愛のうえ、オリンピック鑑賞を楽しんでください!」


「みなさん、オリンピックのことは忘れてもいいから、わたしのことだけは絶対に忘れないでくださいね!」


「それじゃ、どーも、ありがとうございました!」


「どーも、ありがとうございました!」

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