研ぎ澄まされた言葉で「要領の良さ」と仲良くなれない人間の苦しい心理を突き詰めていく小説で、「自分」という箱の中の歪みが断じられてしまうことの恐ろしさがとてもよく伝わってきて、ひりひりしました。親しみづらいであろう「お酒」という題材の取り込み方もお見事で、お酒好きとして、お酒と共に浮かんでは消えていったいくつもの会話を思い起こしました……。
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