第3話マヨイガを楽しんで

 丸い円形のテーブルに並ぶ、超豪華な料理達。 

 

 そして日本の酒なんかも色々と用意されていた。 

 

 「なんじゃこりゃ!?見たことねぇ料理ばっかりだぜ!生の魚なんかも肉もありやがる!腹壊さないのか!?食えんのかこれ!?」 

 

 「見たところ新鮮そのもの、お屋敷様が食えるというのだから食えるのだろうな、どれ私が先にいただこう。・・・・これは!?」 

 

 「どうです?生の魚、味はどうなんです!?」 

 

 「美味い!身だけのものはもちろん、この穀物にのった魚!これが美味い!臭さなんか一切ないぞ!なんという美味!!!」 

 

 「私たちも頂きましょう。んむ・・これは!?本当に美味しいです!この黒いタレこれがまたちょうどいいですね!」 

 

 「おいおい!ずるいぞ!俺も食う!んもんもんも!!うめぇ!とろけるような味がしやがる!脂が下でとろけてうめぇ!」 

 

 料理は気に入ってもらえたようだ。 

 

 「俺の神域に来れる人間は、それだけ人類に貢献したり功績があったり、それ以外にも住処を追い出された幻獣や種族、行き場の失った人間たちや食うに困っている者たちなんかを受け入れようとおもっている。もちろん住んでもいいし、一時滞在でとか、入り口を発見したからでもなんでもいいだ。資格のないものは亀裂があっても見えないしはいれないから。まずは料理で歓待しよう。極上の酒もあるからどんどん飲んでほしい。」 

 

 「酒にうるさいのはセバスだ!セバス飲んでみろよ!」 

 

 「これはどんな酒なんです?」 

 

 「異世界の沖縄の泡盛を熟成させた。超高級酒だ。100年ものまであるけどそう簡単に金を積んで飲めるものではない」 

 

 「これは!?エルフの秘蔵種とも龍種の酒とも違いますね。百年こちらの世界では若い方ですが、龍族の1000年物より美味い!濃厚で舌の上でとろりとしてぐっと味を引き締め喉を熱くして消えていく!!素晴らしい味だ!」 

 

 「おいおいこっちは水みたいに透明な酒だ!水じゃないのか!?透明度が凄すぎるぞ!んむんむ!んくぅ~!飲みやすい!それでいて華でも咲いたかのような絢爛な味!しかもよくよく飲んでみると、飯がもっとうまくなる!酒も風味が変わる!こいつはすげぇ!」 

 

 「それは日本酒ですね」 

 

 「果実酒も美味しいです!とってもピュアな味!アルコールの苦さがなさ過ぎて、スルスル飲めちゃいます!」 

 

 「ああ、忘れてた。先に食事にしてしまったからね、うちは風呂も景色がよくて最高だよ。風呂に入りながら一杯ってのもいいもんだから、ほどほどにして楽しむといい」 

 

 「なら風呂にいって飲むか?風呂上がりに飲むかだな」 

 

 「どうせお前のことだ、どっちもやるのだろう」 

 

 「へへへあったり、こんな高級な酒ならいくらでも飲めるぜ」 

 

 そういって一同を風呂に、使い方を説明して俺は一階に戻ってきた。 

 

 一時間、二時間くらいたつと、全員が風呂から戻ってきた。 

 

 「おいおい!旦那!あの石鹸はなんだ!みろ!つるつるになっちまった!髪もサラサラだ!汚れがすっかり落ちちまった!」 

 

 「湯の方も最高でしたな」 

  

 「うむ、肩や筋肉がほぐれて、力が漲るようだ!」 

 

 「最高でした~。湯上りのケアの仕方まで丁寧に書いていて、最高の気分です~」 

 

 全員が若干若返るかのような効果をもつ風呂、全盛期の状態になるかのような魔法の風呂なのだ。 

 

 その後は全員で飲みながら、十王の責務やいろいろな話を聞いた。 

 

 戦争の調停や悪神、邪神の討伐など大ごともあれば、盗賊の討伐から悪辣な貴族の粛清、大きなことから小さなことまで十王の権限で行う事が多く、王族、貴族の腐敗を防ぐのも役目となっている。 

 

 王族や貴族が有能な国なら陰でちょっとした手伝いをする程度ですむのだが、国全体が腐ってて、十王の命令すら無視する馬鹿な国も存在する。 

 

 力任せに粛清したいが、そうもいかないジレンマを抱えたり、結果的に放置する事になって民に負担をかける事を申し訳なく思う事もあるのだとか。 

 

 なんでもかんでも力で解決、殺してはい終わりではないので大変なのだと言う。 

 

 十王が暴走して腐っているからといって、王族貴族皆殺しにすれば、他の十王達と裁判をし粛清される事もある。 

 

 己の正義を押し付けすぎる事も問題なのだ。 

 

 そんな話を聞きながら夜は深けていき、みなベットに入るのだった。 

 

 そんな次の日の朝、早く。 

 

 「酒を飲んだとはいえ、眠りが深かったのか朝早くおきちまった。すげぇぐっすり眠れて驚いた」 

 

 「私たちは大小あれど、不眠症の節がありますからね。マグヌスにマリアは特に酷かったでしょう」 

 

 「ああ、こんなに寝たのはいつぶりだろうか?起きたあとも体が痛かったり色々あったのだが、こんなに気持ちのいい朝は初めてだ」 

 

 「こんなにもすっきり起きれたのは久しぶりです」 

 

 「それはよかった。朝食にはまだはやいけど、コーヒーでも飲むかい?」 

 

 「なぁお屋敷様、ちょっと外で鍛錬してもいいかな?久しぶりに十王同士軽くやろうぜ」 

 

 「かまわないよ。屋敷にはどれだけ攻撃してもバリアがかかってるから攻撃は通らない、全力で鍛錬できるよ」 

 

 「よっしゃ!そうとなったら、やろうぜ!力が漲って早く試したくてたまらないんだ。まるで新境地にいるかのようでな」 

 

 「お前もか、俺もお屋敷様に新たにしていただいた体を試したくてな」 

 

 「やれやれと、言いたいところですが。私も実は力が張って仕方なかったんです」 

 

 「私も参戦しますよ~」 

 

 十王達の、朝の鍛錬がはじまる。

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神様の隠れ場所 夜刀神一輝 @kouryuu00

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