茶々

鴎 Ⅰ

アハ、ねェ、お客サン。本気で言ってらして?幾ら私が港の鴎だからって、そんなにバカにされちゃア困るのヨ。 ナンだってあなた達はそう、私を騙そうとするのかしラン。 マァいいわ、すっかり話して御覧なさいな。聞いてあげますからネ………。夜はこれから長いンですから……………。



エェ、ソウ………。ハァ、エェ………。ソウネ、ウン………。 それで、お話って其だけかしラ?随分詰まらないことを話すのねアナタって。


ネ、私が本当に面白い話をしてあげる。アナタが話したような、鍋敷き雑誌みたいなスッカラカンなお話じゃあなくて、モット、脳がウンと楽しいやつ。ネ……………。


煙草なんて呑みながら、のんびりと聞いてくれれば良いのヨ…。 ソウネェ、何から話そうかしら…。


そうね、アナタが今日、遊びに行ったあのビイチの話でもしようかしラ……………。

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