第2話

嫁のみるくは、人の考えを読んだり、自分の言葉を脳に直で伝えられる能力を持っていた。が、一切できなくなったらしい。

住職に聞いたら理由はわからないとか?


でも、悠星さんは知ってる?


「子供の能力は、今のところなさそう」


「あーそうすね」


この白和え。うまいな〜。まじ、腹減ってたからなんでもうめぇ。


「で、嫁も能力はない」


「そうみたいす」


はー、煮付けうまい。


「それで、今までどんなことができたか聞いた」


「はぁ、そうすか」


「親と、お前くらいにしか能力は使えなかったらしいな」


「…たぶん?」


「気が付かないうちに使っていた」


「…たしか」


「それは、人を使役する、服従させるような能力だ。お前、彼女の言いなりになったんじゃないか?」


「…は?」


俺の話?


「脳に助けてと言葉が聞こえて、お前は彼女を助けようとした。それで?なんで仲良くなる?」


「…え」


なんとなく…


「お前の考えてることは読まれてた。バカだし単純だし。お前は彼女の言葉をそのまま受け入れて、嫁にして、そのまま寺にやってきた。彼女は、居場所を探していた。そう言ってた。で、今はもう安全だから能力がなくなったと考えられる。あとは、若かったから使えたのかもしれない」


「つまり、俺は利用されたと?」

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