第9話 おおおおオリンピック終わってた


 閉会式も見るの忘れてた。

 トムクルーズがゆるふわトムクルーズだったとこしか見てない!!!

 やり投げと高跳びとリレーは見た!!!

 もう、見た! としか書くことができない。

 エッセイとして終わってる。ハハハ。



 先日うちの両親を連れて夫の実家へと旅してきました。

 ありがたいことに義理の両親はいい方たちで、やたらと食べさせられるのが苦痛ってくらいの至って平和な関係なのですが、問題はうちの両親(主に父)なので、出発前から早く帰りたいと願ってしまうくらいでした。


 とにかくうちの親と夫の両親との接触時間を減らしたかったから、義実家には昼過ぎにちょっと寄るだけと希望を出したのに、私の言ってる意味を軽く考えていた夫が(もしくはご両親の誘いに負けて)夕食をいただくことにしてしまった。

 おいふざけるな。

 

 うちの父の正体はナチュラル自慢話野郎なんですね。

 実際立派な企業にお勤めでしたし、仕事一筋、単身赴任で家にはほぼ居ない系な方だったようです。

 ようですっていうのも、私の本当の父ではないんです。

 実父なら余計なことを言いそうなら舌打ちくらいかましてやるんですが、大きくなってからの再婚同士だし、母とは年の差もあって、身内と言っても『母の旦那』って感じ。

 私はかつて男の多い職種に勤めていて、男の園の飲み会ではナチュラル自慢話野郎がたくさんいたので「へーほーふーん」なんですが、傍目に身内に見える状況だと恥ずかしいことこの上ない。

 しかも『ナチュラル』と付けたように、無自覚なんですよね。

 本人は自虐を入れてるつもりだし、やれやれ話の体で大企業あるあるや海外旅行の話をする。

 母さんは母子の頃もバリバリ稼いでくれてはいたけど、バリバリ貧乏も経験しているから、聞いていて「いやそれ自虐っぽくしてるけど金持ち自慢やん?!」

 って聞こえちゃう耳が育ってるんで辛い。

 

 母は「そういう人」だと言うし、父は年だし、私も姉も「母が一人でいないで済んでいる」という感謝もあるから、なにも注意する気はない。幸せな人だなあと思うくらい。

 だから今回のような場合でも、言わないように祈るか、もしくは言う隙を与えないように喋る、話題をそらす、という謎の気を使うことになるんです。


 今回は二つくらいのナチュラル自慢話で無事(?)に実家を切り抜けてほっとしていたら、次の日泊まったホテルで、忙しそうな従業員さんを引き留めてまでどうでもいい絡みをして、きちんと居心地を悪くしてくれました。

 あーやれやれ。


 帰宅して夫が、

「確かにお父さんは言わなくてもいいことを言うね」

 と感想を漏らし、

「だから言ったじゃん!!!!」

 とカチキレました。


 まあ母は母でめんどくさいところがあるので、二人で末長く健康にやってくれたらいいなと思っています。

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