youth2020

裂けないチーズ

youth2020

夏が始まるとそう思っていた。

後悔にもならないよう理不尽な理由でなくなった私たちの青春。

15年間生きた褒美のような3年間が待っている。これまで誰もが歩んできた普遍的で単純なそういう春を待っていた。

燃えるはずだった。燃えるはずだった心。跳ねるはずだった心臓。勝とうと誓った大会。立とうと誓ったステージ。取ろうと誓ったコンクール。


なくなったものを今も見ている。

その目の深く青い理由が私の青春の意味であること。

それをまだ知らない。


彼の目が彼であった。

彼女の目が彼女であった。

私の目が私であった。


思い思いに思い残した青春の色を

色を今、

今、

その目に塗り直して

そして、世界を塗り直して

私たちはこれからの人生を

地球を

宇宙を

そしてこの世界を

美しく染める。そのつもりだ。

私たちはそのつもりだ。

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