いつどこ阿鼻叫喚取説

K

第1説

揺れる暗い部屋。


重く苦しい枷がのしかかる。


嫌な音、臭い、苦虫を噛み潰したような味。

口に噛ませられたナニカからダラダラと唾が垂れ気持ち悪い。


なにか一つ外そうにもそれは無理な話だ。


僕は力もなければヒトでもない。


今思い返せば、こんな「ヒトデナシ」をなぜ拾ったのか不思議でならない。

賢くも疾くも、強くもない僕を。

金にするため。見世物にするため。売り飛ばすため。


どれもありえない、腕も皮がついてるだけのようにか細い。

自分で言っていて悲しいが事実目の前にある。

そんな現実に泣きたくても泣くほどの元気はない。


ただ喉奥から咽ぶことしかできない。


あぁ、神様。

どこかで見てるのでしょうか。


いつも信じたところで助けてくれない神様。


薄情で、ココロのない。


今更、だろうか。

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