ゾンビ感染が流行する前に親から送られてきた少女が優秀過ぎた

バナナ様は神様

第1章 新たなる人生

第1話 謎の女性がまさかの親の贈り物だった!?

ハァハァハァ…

目の前が真っ暗になっていく。

ハァハァハァ…

身体の感覚を感じなくなっていく。

ハァハァハァ…


「ここは?」


俺は目を覚ました。なんだ。夢だったのか。

夢にしては随分リアルだったが、まぁ気にするところではないだろう。


「ん?」


俺の目の前には身長160mぐらいの人型の物体が下を向きながら椅子に座っていた。

髪が長く胸部が膨らんでいるため、俺は女性だと判断した。


そうとわかったとしても、一人っ子の上一人暮らしをしているため、見覚えがない。


「俺、ちゃんと鍵閉めたよな?」 


ドアと窓を確認しに行こうとしたが、その前に警察に連絡しておかないとな。

俺は枕元に置いてあるスマホを取ろうとした。


「あれ?スマホがない。ベットから落としたか?」


スマホがないことに気づき、ベットの下やその周辺を探しても見当たらなかった。


どこにいたんだ?置いてあるとすれば、洗面所かトイレの可能性が高いな。

まず、探しついでにトイレでも行くか。


「って!?なんでこいつが持ってるんだ!?」


俺はトイレに行こうとし、謎の女性の方に振り向くと、その謎の女性が俺のスマホを握っていた。

さっきまで持っていなかったのにな。

見間違いか?もともと握っていたのか?いや待て待て。

それだとこいつ、動くってことだよな?

そういうことになるよな?


俺はこいつが動く姿を想像した。

スマホを持っている理由は助けを呼ばなくするためであり、今は様子を伺っているということになるな。


そして、大切なのは逃走ルートと助けを呼ぶ方法である。

逃走ルートは完全にドアの前にこいつが座っているので、ほぼ不可能。

いや正面突破という手段もありだが、武術の使い手だったり、武器を持っていたら、その時点でアウト。


窓を速攻で開けて飛び降りるにしても、ここ7階だし助かる確率はほぼない。

詰んだ?


正面突破に賭けるか飛び降りに賭けるか。

うーん。痛いのは極力避けたいから、正面突破だな。

よし。心の準備をしよう。俺よ。

ここが20歳の最大の難関となろう。

この難関を突破すれば、ピンチになることは当分ないだろう。

だから、勇気を振り絞ろうぞ。

俺は深呼吸をする。


「今だ!」


正面突破をしようとした瞬間、目の前の謎の女性が立った。


あ、やべ。逃走?戦闘?


いやでも漢として女性を傷つけることは俺のプライドが許さない。


そう考えているうちに謎の女性が近づいてきている。


いやいやプライドの問題じゃないないぞ?

もう、命に関わることだぞ?逃げるか?


ん?なんかもう目の前にいるのですけど?

本当に詰んだ?


絶体絶命ってやつ?お母さん、お父さん、僕を産んでくれてありがとうございました。


俺は産んでくれた親に感謝を心の中で伝えた。

謎の女性は目の前で俺をジロジロと見ている。


何?人体売買できそうな部位探し?

俺、解体されるの?


すると、謎の女性の口が動いた。


「飼い主様の登録が完了。」


「解体するなら、殺してからにしてください!!」


謎の女性と俺の言葉が重なった。

そのため、何いったか一部しか聞こえなかった。


「え?今なんて?飼い主様って、いった?え?」


これ本当なら、周知プレイしてから売るってこと?性格悪過ぎるーー。


思考を広がるな俺よ。

質問したからには反応を待ってから考えよう。

合っていなかったら、だいぶ失礼だぞ、と思いつつ不法侵入の時点でそれが言えるのかがわからないが。


俺の心臓が少しずつ激しくなっていく。


「はい。そうです。」


ガチの周知プレイだー。

どこにカメラあるの?て、いうか、俺の心臓さっきからバクバクなんですけど!?


「どんな周知でも晒してください。頑張って耐えるので…」


それでも辛い。

他の人と比べて、黒歴史が多いと思っている。

そのため、掘り返されるのはキツすぎる。


俺は死の準備をする。

さぁいつでもいいぞ。死ぬ準備はできている。


「なんのことでしょう?」


「はい?」


俺は予想外の反応に即答してしまった。


え?まさか周知プレイ自覚してないで、やってるの?マジで!?

こいつ、更なるヤバいやつなのか?


説明しよう。


更なるヤバいといったが、俺の出会ってきた友人の中でヤバいと思うやつがいて、それを遥かに超えているた判断したため、こう表記した。


「流石に自覚しましょうよ。自分のしていることぐらい。」


謎の女性は少し落ち込んだ顔をした。


やべぇ。あまりのヤバさに挑発してしまったか?


いやでも、俺を殺す気なら、殺意マシマシの顔になるはずだが、なんで落ち込んでいそうな顔なんだ?


俺はこんな状況なのに気になってしまった。

本当に生きたいと思っているやつなら、こんなときにも逃走ルート考えているだろうになー。


「はい。大変申し訳ございませんでした。」 


謎の女性はいきなり土下座して謝ってきた。

え?どいゆこと?え?


俺は混乱してしまった。


自分の行ってきたこたに反省しているのか?

それとも俺を人体売買することに対して先に誤っているのか?え?


ピロン


すると、俺のスマホに一通のメールが届いた。なんかこんな状況なのにメールやめて〜。


いや嬉しいよ。

絶体絶命なのには変わらないんだよな。


これで最後なら、気になるからメールみたい。誰のメールなのだろうか。


「おそらく女性の人。一度、顔上げて。そのスマホのメール、貸してくれないかな?」


あ、やっちまった。気になりすぎて、言ってしまった。

これ絶対、助け呼ぶつもりだろ?って、思われてすぐに殺されるパターンか更なるきつい周知プレイが待ち受けているパターンになるやつだ。



ん?周知プレイと言ったけど、俺、ドMだと思われた?絶対そうだよね?

こんな状況で相手が口にしていない周知プレイといったら、そう思われるよね?


あ〜。新たなる黒歴史が誕生した。なんてやつなんだ俺は。 


「はい。わかりました。」


すると、謎の女性がスマホを俺に渡してきた。素直に渡してくれるかい!?


いやいやそこは警戒しないといけないじゃん。ん?まさかこれは油断しているうちに俺を捕まえる気では!?


危ない危ない。油断するところだった。

さぁ警戒しながらメールを確認するぞ俺よ。


俺はスマホを電源を入れて暗証番号を打ち、メールを確認するところまでやった。


あれ?このメール親からだぞ?

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