初日。大阪〜松本市街地
旅行初日。
家がある大阪から長野県松本市まで車で行く。
僕は持病があるので自動車免許証を持っていないので、運転は両親が交代ですることになる。なので車内では僕が基本的には話題を提供し、それを元に雑談が交わされるといった具合になる。そして車内では寝るという選択肢もあったのだが、車窓からの景色を楽しみたいという思いと、寝たら運転してくれている両親に悪いという思いが交差し、寝るという選択肢はほぼ出発時の段階ではなかった。しかし、後に睡眠欲に耐えきれずに寝ることになる。
旅行前日は車の中で飲み食いする、ジュースやコーヒー、じゃがりこなどを買った。
前日は9時に寝た。
睡眠導入剤を飲んでいるので倒れるように寝入った。
翌日は3時半に起きた。
出発は4時だ。
前日に母がおにぎりと卵焼きとソーセージを焼いてくれていたので、それを食べた。
今は2021年10月中旬。
しかし大阪はまだ暑い。湿気がすごくあり、朝晩は少し涼しくなったとはいえ、日中は30度近くなりまだ暑い。
松本は涼しいのだろうな。僕はそう思った。松本は湿気が少なく雨が少ないらしい。事前に集めた情報によると朝晩は冷え込むらしい。僕達家族は美ヶ原高原の山頂にある王ヶ頭ホテルに泊まる。そこは標高2000メートルぐらいなのでとても寒いらしい。大阪の平野部からは15度ぐらい低いだろう。つまりそれはめっちゃ寒いところだということだ。一応僕達はダウンコートを持っていった。行くときはロンTだけだったが。
午前4時。車はひっそりと出発した。
住宅街をすり抜け、国道へ出る。
国道は空いておりスイスイ走れた。高速道路までいつも40分ほどかかるのだが、20分ぐらいで高速道路に乗れた。
車内はMr.Childrenのシーソーゲームがかかっていた。なぜか郷愁にかられた。両親もいつかはいなくなるんだな、なぜかそんなことをふと考えさせられる曲だ。ノスタルジックな雰囲気に酔っているのだろうか。
しばらく未明の高速道路を走っていると夜が明けた。気づくと滋賀を超え、岐阜に入っていた。
僕達は岐阜県にある養老サービスエリアに入った。このあたりではかなり大きなサービスエリアだ。
サービスエリア内に天むすが売られていた。おいしそうだと思った。
僕は天むす弁当を一つ買った。
車に戻って食べた。両親に天むすをひとつずつあげた。
天むすは名古屋名物で大阪にはないものだ。
美味しかった。大阪にも天むすがあってくれたらいいなと思った。
車は再び走り出した。
なかなか松本までつかない。
遠いな。家族とだからこそ行けるのだなと思った。家族には感謝しないといけない。人間自分一人では何もできない。人は助け合って生きていかないといけない。
気がつくと僕は眠っていた。睡魔には勝てない。親は運転しているというのに。起きたとき罪悪感を感じた。
起きたらもうすでに松本市街地に入っていた。松本は晴天で透き通るような蒼い空だった。また四方を巨大な山脈に囲まれていた。山脈は白く壮大だった。僕は圧倒的な自然に驚愕した。こんなに高い山は大阪では見られない。失礼なことを承知でいうのだが、小学生のとき遊んでいた大阪の家の裏山とはレベルとスケールが違った。あたりまえだが。長野の山は神々しくて壮大で思わずハリウッド女優みたいに「わーお」と言ってしまいそうになる。
松本市内にある松本城を訪れた。このお城は国宝である。場内の階段がとても急で歴史的な建造物だということを改めて認識した。鉄砲を撃つ穴などもあった。
お昼ご飯は老舗の信州そば屋に入った。ちなみに蕎麦のネギは関西は青ネギだが、長野は白ネギだ。蕎麦は本格的な味で冷たくて美味しかった。長野は水が豊富で美味しいから蕎麦も美味しいのかなと思った。
その後、市内を散策しているとあることに気づいた。空気が明らかに大阪と違うのだ。大阪は空気が汚くて自転車に乗ると30分に1回くらいの確率で目や口の中にゴミが入るのだが、松本ではそれがないのだ。僕は決してオーバーに話しているのではない。現に大阪で生活していると鼻のなかにとても鼻ク◯が溜まる。しかし長野では明らかに息がしやすい。もし長野と大阪で生活したことがある人がいれば、自分の心の中に問いかけてほしい。長野と大阪、明らかに空気が違よねということを。
また更に驚愕いや、思わず唸ったところもあった。松本市内に郵便局があったのだが、郵便局内の駐車場に停めてある車をエンジンを掛けたまま、郵便局に入っていた人がいた。それも何台もだ。盗まれるのではないかとハラハラして見ていたが、車を盗む泥棒は現れなかった。僕はその事実に驚嘆した。大阪なら確実に盗まれるだろう。急に僕は異世界に来たような気分になった。長野県民は真面目と言われるがその通り、車を盗む人がいないように本当に真面目なのだろう。僕は長野県民がいる限り、日本は日本らしい清らかな心を保てるだろうと思った。そう感じるぐらい心がポカポカした。
そして僕たちは美ヶ原高原にある王ヶ頭ホテルに向かうことにした。
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