誰だ!ソイツは!

リンデルン王国ケント王は頭を抱えてた?

可愛い娘が盗賊に襲われたが何者かに助けられた

護衛の騎士団員達も助かりその副団長がオーリヤス伯爵の娘だった


伯爵令嬢ソレイルは勝手に伯爵家から飛び出し貴族籍まで抜いて騎士団へ入団した娘だ

入団試験をなんとか通り訓練と鍛練に励んだ努力で実力を付けたがいざ戦争となればどうなのか?


小さい時から知ってて可愛がってた、いずれ我が息子のどれかと一緒にと思ってたが┅┅


器量よしで性格も素直な良い子だが頑固なのが珠にキズ

ソレイルも可愛い娘同然だと思ってる


その娘2人を助けた男とは?

あれ以来可愛いエシャルナは大人しくなってしまった┅┅嘘の様だ

我が儘で利かん気が強く誰の話しも聞かない娘だが我には懐いてる


何故静かになったのだ?

それと盗賊団を壊滅させ多くの貴族達の不正を暴く証拠を残した

普通なら名乗りを上げ栄誉を求めるのが冒険者ではないか?

それなのに行方知れずとは?


ソレイルは必死にその男を探してる様だが果たして?


「陛下!商業ギルドのガルムと冒険者ギルドのケンウッドが内々に話があると来ております」


「そうか┅┅宰相よ?後の予定は?」

「別にありません、明日は貴族院からこの度の違法奴隷売買の件で報告が有ります」

「で、有るか┅┅それでは会うとしよう」


ガルムとケンウッドは示し合わせて王宮へと来た

金塊とドラゴンの話しと悪巧みなのだが?


「陛下に置かれましては益々のご健勝!何よりでございます」

「ヨイヨイ!非公式の場だ、慣れぬ言い回しは背筋が冷たいぞ!」

「アハハ!そうでしたね」

「宰相殿も一緒に話を聞いて下さい」

「私も?はて?何の企みやら」


「シャルドよ?そう構えるでない、では話を聞こうか?」

「では私から┅┅これを見て頂けますか?」


金塊に銀塊とプラチナ塊をゴトッと置く


「これは極々1部の品です、そして┅┅これを」


リタルニア金貨に銀貨を置く


「それは何の冗談だ!まさか!本物か!ええい!シャルド!確認せよ!」

「ははっ!┅┅┅これは!陛下!本物です!」

「ガルムよ?それをどこで手に入れた!」

「まぁお待ち下さい、これはまだほんの少しの話しですからね」

「なんと!」


「陛下!今度のオークションで我がギルドからグリーンドラゴンを出品致します」

「はっ?今なんと?我の耳がおかしくなったのか?」

「イエ!陛下!確かにケンウッドがグリーンドラゴンをと!」


「┅┅ドラゴンだと?ここ100年は見た事がなかったよな!」

「ハッハハ!そうです!そしてそのグリーンドラゴンはキズ1つ無い姿ですよ」

「それは冗談では無いのだな?キズ1つなく倒せる物か?」

「まぁ無理でしょうね、そもそも倒せないでしょう」


「少し目眩がした┅┅ドラゴン┅┅リタルニア金貨に銀貨┅┅それと金塊等と┅」

「陛下!リタルニア金貨ばかりではありません!白金貨も多く有りますよ、今回は持参しませんでしたが欲しければ何枚でも有ります」


「「白金貨!」」


「帝国に1枚しか無いと言われる白金貨を何枚もだと?ええい!はっきり申せ!遺跡はどこだ!

どこに眠っていたのだ!申せ!」

「残念ながら遺跡は陥没して崩壊したそうです

それは封印されてた古竜が解かれ出たからだと説明されました」


「なんと!古竜が世に放たれたのか!それでは又この世界が乱れるのか?」

「詳しい事は知りませんがその古竜とは仲良くなったとの事

リタルニア国は古竜を裏切り封印した為に国は滅んだそうですね?

その古竜ですが今現在は変わってしまったこの世界を見て回ってると言ってました」


「ガルムは何か知っておるのか?」

「はい、この品を持ち込んだ者とドラゴンを持ち込んだ者は同じ人物です、そしてリタルニアの事を良く知る人物でも有ります

何故なら彼は古代語を普通に理解しますからね」


「そうか┅┅では何故その者はここに連れて来なんだ?」

「それが正体を明かしたく無いと、そして貴族や王族とは関わりたく無いそうですよ」

「なんと不敬な!貴族は仕方ないが王族もだと!ソイツを連れて来い!」


「ソレソレ!それを嫌ってるんですよ?宰相殿?不敬なんて可笑しいでしょ?それに嫌うのは自由でしょう?好き嫌いを罪にされてはたまりませんね?」


「フフフ!ハッハハ!その男、癖が有るが面白いと見た、どうだ?内々に会わせてもらえぬか?それとドラゴンを見たい」


「会いたいと┅困りましたね┅実はその者は王女殿下を叱り飛ばした張本人なのですよ

ギルドとしてはあの【死神団】を壊滅させ、貴族連中や闇ギルドを追い詰める事が出来たのですからね、彼の意思を尊重したいですね

それと本人は褒美とか何も要らないからソッとしてくれと頼まれてして┅」


「ちょっと待て!それは真か?我が娘エシャルナを救った男だと?それに叱っただと?それは聞き捨てならん!

何をしたのだ?叱るとは?」


「これは言っても良いのか?┅┅」

「構わん!教えよ!あの件以来エシャルナはずっと大人しくなり部屋に籠っておる、何があったか話さんのだ」

「では陛下?それにガルムと宰相殿、これはここだけの話しとして下さい、そしてアイツを褒めてこそ罰する事はしないと約束下さい」


「約束しよう!シャルドも良いな?さぁ聞かせよ!」


「はぁ~実は盗賊を始末して騒動が終わってからの事ですが、王女殿下は直ぐに彼等の馬車で王都へ行けと命じたそうです

王室用馬車は壊れてたので馬車を寄越せと┅┅

それにまだ負傷した者が多くアジトには捕らわれた者もいたのですが、お構い無しにです

そして自分は王女だから従えと言って助けた彼等を平民の分際で逆らうなと怒鳴り、しまいには不敬で処罰するとまでも言って我が儘を遠そうとしたそうです

余りの横暴に子供の躾が成って無いと思いお仕置きしたと┅┅」


「叱ったではなくお仕置きだと?」

「ハイ┅┅そのぉ」

「話せ!ここまで話したのだ!」

「では┅┅彼は王女殿下のスカートを捲り素肌のお尻を叩いたそうです┅┅お尻ペンペンのお仕置きだと言ってました」


┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅!

「「「プッ!プッアハッハハ」」」


「ヒィ!アハッハハ!お尻ペンペンだと!あのエシャルナを!アッハッハハ!それは愉快!」

「アッハハ!エシャルナ様にお仕置きするとは!アッハハ!」


「はぁはぁ┅あっぱれだ!そんな我が儘を許すなら反対に我がお仕置きしたであろう!

困ったものだ┅┅王女とは我が身より下の者を助け導く者だ、それを放っておきその場を去る事を優先する等!

しかし┅┅よくぞ叱ってくれた、あの子は12歳、そんな事もわからん年では無いのだ

甘やかし過ぎたかな┅┅」


「その者の名前は教えてはくれないのか?」

「宰相殿┅彼に害が無ければ教えましょう」

「ククク┅害するなどあり得ぬ!聞いた限りはその者は益しか無いと判断するぞ?

リタルニアの遺跡を知り盗賊を蹴散らす、そして貴族で有ろうと王女で有ろうと正しき事を貫く

そんな者が居るのか?そして欲が無いと見た」


「ハハハ、確かに!欲が無いのは困ってる所です、何を代わりに出せば良いか┅仕方ないですね┅┅その者はケンジと言う冒険者です

嫌?成り立て冒険者ですかね?」

「フフ♪彼は商人のマネゴトをしてると言ってましたよ

それに薬師で錬金術師でも有ります、彼のポーションは出来が良いそうです

薬師ギルドに確認しましたから」


「それは凄い人物ではないか?ドラゴンを仕留め、盗賊団も壊滅させる、まるで英雄ではないか!」

「それが本人はそんなの興味無くて目立ちたく無いそうですよ」

「ああ!それに今頃は図書館で本を読み漁ってるでしょうな

なんでも常識を知りたいとか┅┅とぼけた奴です」


「ケンジと申すか┅┅」


ガルムとケンウッドはその後宰相シャルドと何やら話して王宮を後にした

あの悪巧みの事だ、リタルニア金貨と銀貨をオークションに出して不埒な貴族様を締め上げるそうだよ、ドラゴンも良いエサだとか?

結局ドラゴンと森のヘビを出品するそうだ


【クィーンサーペント】あの森で紫色オークを丸飲みしてた奴だよ

ランクはEXらしい┅ドラゴン並み


革が凄く貴重らしく目玉とか牙に血、骨も貴重で毒袋は希少だってさ、肉も極上級とは知らなかった!食えばよかったね┅┅残念!


まぁドラゴンは国が落とすだろうってさ、狙いはサーペントらしい

あの革で仕立てた服は貴族でも権威や権勢を誇れるらしい

死の森産のサーペントさんなんてここ100年以上出て無いとの事

流石ドラゴン並みだよね~♪



「お父様!ケンジとか言う冒険者が判明したのですね!

その者はどこにいるのですか?」

「エシャルナよ?ソナタはそのケンジからお仕置きされたそうだな?」

「そ、それは┅┅あれはわたくしが間違っておりました┅

まだ多くの負傷した者や死んだ者がいたのに┅┅」


「王族で有れば下の者に慕われ見本となる行動をせねばならん

あのケンジと申す者はソナタを子供として叱りお仕置きした

それだけ聞き分けの無い事をしたのだぞ?

反省しておる様だがそれはそれだ!だが王族としての振る舞いは褒められた物では無かったな┅

まぁソナタがすっかり心を入れ換えた動機となったのは親として嬉しいのだがな┅┅」


「お父様!すみません!いえ、ご免なさい!私はこれ迄凄く我が儘で駄目な子でした!

あの惨状を見て改めて死ぬと言う事を身近に感じ考えました

そして思い知りました┅┅

ご免なさい!」


「そうかそうか┅良い子に成ったな┅┅父は嬉しい限りだ┅┅」


ん?この王さんお仕置きを喜んでるのか?

自分では出来ない事をしたからなの?だったらちゃんと叱れよ!

親だろ?マッタク!


でも┅┅何やら騒がしいんだが?

ケンウッドさんが王宮でグリーンドラゴンを披露したらしい┅┅

王さんの要望で仕方なくとか?

そして┅┅貴族共が!


誰が仕留めた!誰が持ち込んだ!

そう!犯人捜しらしいぞ!

ええい!だから!嫌なんだよ!

知ってどうするのかね?


┅┅┅┅┅┅知らね



◆■◆■


「おい?今度のオークションには凄い目玉が出るらしいぞ!」

「聞いた!リタルニア金貨だそうだ!それにあのドラゴンもだ!」

「ドラゴンなんて誰が買うんだよ!どうせ王宮が落とすか薬師院だろうよ!

それよりクィーンサーペントだ!あれはそう高くないだろ?」


「ククク!金貨にサーペントは私が落とす!全財産を出してもだ!

どうせ直ぐに金は入る┅┅ククク!これで私も王族と同格だぞ!アッハッハハ!」


この貴族、ケンウッドさんとガルムさん、それに宰相さんとで悪巧みした相手らしい


ギルムルド侯爵、悪い噂が絶えない人物で領地でも評判が悪い

重い税を科し民は苦しんでると言われてる

勿論!奴隷売買は領地内では盛んに扱われ子供から大人まで売り買いされてるそうだ

酷いのは性奴隷を多く扱う事で金を荒稼ぎしてると言う事


王国では性奴隷は禁止されてるし奴隷に対して虐待や放置は重罪だ

それを無視して領地内ばかりか王国中で隠れて扱ってる

そして闇ギルドに深く関わってる


この侯爵の悪事を暴く事を悪巧みしたのだ

はぁ~貴族って嫌だねぇ~


ホント厄介極まりないよ



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